筒井康隆なくして現在の私は存在しない

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 ひさしぶりに読んだ小説は、筒井康隆の『銀齢の果て』。アマゾンから取り寄せ、本棚で半年ほど寝かせてしまっていたが、読み始めてしまえばあっという間で、筒井康隆にハマっていた20数年前のようにドキドキワクワクしながら読み進めていった。
 筒井康隆にハマったのは、中学校から高校にかけての数年間。ひょんなことから市立図書館に通い詰めるようになり、70年代以降の日本のSF小説にすっかり魅せられたのだった。ブームになっている『日本沈没』の小松左京はもちろん、星新一、眉村卓、半村良、光瀬龍、平井和正……と挙げていけばきりがない。片っ端から図書館に置いてある作品を読んでいった中で、一番のお気に入りは筒井康隆だった。同世代には多い『時をかける少女』からハマっていったクチだが、『七瀬ふたたび』シリーズの『家族八景』あたりから筒井康隆の持つ「毒」に冒され始め、高校生ながら全集にまで手を出すハメに(もっとも、半分の12巻までで挫折)。
 大学、大学院で近代文学を専攻したのも筒井康隆の影響は小さくない。論文に取り上げたりはしなかったものの、近代の大衆文学を研究するようになったのは筒井康隆を始めとするSF作家の諸先生のおかげである(けっこう真面目に大江健三郎の次は筒井康隆がノーベル文学賞を受賞すると信じていた)。
 今回の作品は決して目新しい印象は受けなかったが、20年、30年前の、同様の傾向の作品とは異なり、表面上はそれほど「ドタバタ」していないのに、実際はしっかり「ドタバタ」している。私の大好きな作品の『俗物図鑑』も彷彿とさせるドラマで、古くからの筒井ファンにはたまらないだろうなあ。
 断筆宣言以降は評論やエッセイを中心に読むくらいで、筒井康隆の小説はあまり読まなくなってしまったが、これを機会にもう一度筒井ワールドに帰ってみようかしら。
銀齢の果て

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