韓国軍事スリラーの緊迫感

ユリョン
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 古今東西、原潜を乗っ取る/乗っ取られるという映画は少なくないが、東西冷戦が終結してしまった現代では「原潜を乗っ取ってどうするのか」という説得力に欠け、リアリティや緊迫感がなかなか出てこない。閉鎖された空間というだけで映画としては面白いのだが、いかに新しい味付けができるかどうかで成否が分かれる。
 韓国映画なので当然北朝鮮が絡んでくるのかと思うとそうではない。敵が日本というところが日本人にとっては興味深い。韓国では日本が核武装をしていると考える人が少なくないということなのだろうか。そう考えると靖国問題や改憲問題に韓国が敏感になるのもわからないではない。副長の日本を攻撃するという考え方が「常軌を逸した」ものなのかどうか、韓国の人に聞いてみたいものだ。
 最近、日本でも戦争をテーマにした映画は少なくないが、見慣れた顔が軍服を着ても違和感が残り、どうにも感情移入しにくい。逆に軍服が似合っていれば似合っていたで、同じ顔ぶればかりが登場する。中堅では中村獅童などが常に同じような役柄で出ている印象がある。テレビに出る俳優と映画に出る俳優が区別されていた時代はともかく、現代の俳優はバラエティなどにも積極的に出ているので、映画でもいつも同じような役柄でしか出てこないのが残念。それとは反対に外国映画の場合は、キャストに違和感を感じることが少ないので現実離れしたストーリーでも感情移入することができる。「デイジー」を見て、「私の頭の中の消しゴム」も放映されたばかりなので最近はチョン・ウソンの顔ばかり見ている気がするが、それでも日本人俳優ほど見慣れていないので軍服姿も違和感はない。徴兵制が残っているせいもあるのか、韓国映画に出てくる軍人は決まっているし、物語も日本の戦争映画とは明らかに緊迫感が違う。
 ストーリー的には何も解決されないまま終わってしまい、前半は軍事スリラーという印象だったが、後半はイデオロギーや人生観の話になってしまった感が強い。韓国軍の対応や日本軍(映画の中では自衛隊ではなかった)の対応なども併せて描き、「衝撃的な結末」に持っていっても面白かったかもしれない。
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