救いのない 地下鉄に乗って

地下鉄に乗って
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 浅田次郎の原作を読んでいないので、あくまでも映画を見た感想なのだが、最後まで誰にも感情移入することができなかった。物語の展開や設定は面白いのだが、見終わって釈然としないものが残る。結果的に愛人であるみち子の存在は消え、それまで知らなかった父親の一面を見ることができた主人公は、最後に長年の肩の荷を下ろしたのかもしれないが、ラストは決してハッピーエンドとはいえない。前回見た「手紙」のように各人が問題を抱えながらも生きていかねばならないのが現実なのに「夢オチ」でケリをつけたように思われてしまうのだ(こういう感想を持つということは、感情移入できなかったと言いながら、みち子に感情移入しているのかもしれない)。
 展開はまさに日本版の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なのだが、必ずしも地下鉄がタイムマシンになっているわけでもなく、意識が途切れた次の瞬間に過去にいるという点も気になる。大沢たかおは若い頃の演技は魅力的なのに父親役には少し違和感。ファンタジーなのだから細かいところは気にする必要がないとはいえ、多少の辻褄は合わせて、ありえないこともありえると思わせてほしい。また、主人公とみち子との関係も早々と見当がつくのだが、主人公がいつの時点で気がついたかはっきりせず、本来であればもっとドロドロとした葛藤があって当たり前なのに軽く流して主人公の罪深さを感じさせない。
 一緒に見た妻は私ほど違和感を感じてはおらず、それなりに納得できたようなので、見る人によって様々な感想が出てきそうな面白い作品なのかもしれない。

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