IQ84の物語!? 『1Q84』

『1Q84』 (村上春樹 新潮社)
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 村上春樹の『1Q84』のBOOK1とBOOK2を1ヶ月もかかって、ようやく読み終えた。まとまって本を読む時間がとれないので、どのような種類の本であってもある程度の時間はかかるのだが、読み慣れたはずの村上春樹にしては自分でも予想外に時間を費やしてしまった。もちろん、嫌々読んでいたわけではなく、早く次が知りたいという気持ちでジリジリしながら読んでいたのに。
 学生の頃のように読書が生活と結びついていた時代は遠い昔のこととなり、仕事以外の読書といえば、パトリシア・コーンウェルの翻訳や京極夏彦などの限られた新刊書くらいにしか目を通すことがなくなっていたのだが、村上春樹に関しては比較的注意を払ってきた。といっても、『海辺のカフカ』と『アフターダーク』の2作には手を出さなかったので、最近の村上春樹は知らないも同然。それでも、読み始めた『1Q84』は懐かしさを感じさせ、徐々に村上春樹のリズムを思い出していった。ところが、前に述べたように面白いのにページがさっぱり進まないのだ。
 これは村上春樹の文体が、単に情報を伝えるためのものではなく、読み手に考えさせ、想像させるものであることによるのだろう。もちろん、読み手に考えさせ、想像させることをしない作家は世の中に存在しないわけだが、村上春樹の簡潔な文体がイメージさせる世界は、他のどんな作家よりも広く深い。一般に、難しいとも、読み応えがあるとも言われる京極夏彦の作品も私は大好きで、新作を読むたびに満腹感をおぼえるのだが、京極夏彦の文体は、考えさせ、想像させるというよりも、博覧強記の膨大な情報が収められているという点で村上春樹とは大きな違いがある。
 村上春樹の昔の作品については、それほど時間をかけて読んだ記憶はないのだが、『アンダーグラウンド』あたりから、その考えさせ、想像させるイメージ量が増えてきたように思われる。

 恥ずかしい話だが、私はしばらく『1Q84』を『IQ84』だと勘違いしていて、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』のような話ではないと予想していた。しかし、この勘違い、意外に多くの人がしているような気がするのだが。

 第30回日本SF大賞の有力候補である。

1Q84 BOOK 1
新潮社
村上 春樹

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1Q84 BOOK 2
新潮社
村上 春樹

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満足結末だけでなく内 ...
上巻に比べると・・・ ...
アダルトSF小説?? ...
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