国王への畏敬の念 アフロサッカー

アフロサッカー SAGAI UNITED
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 2004年のタイ映画。「少林サッカー」が2001年の作品なので、パクリとしては時機を逸しており、これはこれでオリジナルと思いたい。物語は、八百長に手を染め、ヤクザに追われるサッカーの元審判・パオトゥーが、タイ南部でサッカー・センス抜群のサガイ族の少年たちを見出し、ユースのタイ国王杯を獲得するスポーツ根性(?)コメディ。サガイというのはマレー族が山の人たちを馬鹿にして呼んだ言葉で、タイ語ではゴーパ(森の縮れた髪を持っている人と) と呼ばれ、実際にタイ南部の山岳地帯に住んでいる民族らしい。映画のとおり、髪の毛が縮れているので「アフロサッカー」というわけだ。一つ間違えば差別にもつながりかねない描写にも思えるが、この作品はタイ本国でもそれなりにヒットしたとのこと。
 「少林サッカー」を多分に意識した予告編だったが、内容的には「アタック・ナンバーハーフ」の方が近いかもしれない。アフロではあるものの、少年たちが意外に都会的な顔立ちをしているので、「ブッシュマン(コイサンマン)」のようなカルチャー・ギャップをテーマにしたコメディとも違った雰囲気になっている。印象に残ったのは、タイの人々が抱くラーマ9世プーミポンアドゥンラヤデート国王への畏敬の念の強さ。サガイ族のような山奥に住む人が実際に国王の存在を認識し、敬慕の念を抱いているかどうかは定かではないが、そのような設定にしてしまうほど国民に愛されているということなのだろう。
 タイ王国を愛する私としては、プミポン国王が2006年のクーデター以来、どれほどお心を痛めているか気が気ではない。どちらが正しいということではなく、タクシン派も反タクシン派も、泥仕合をやめて、治安維持法などを必要としない「微笑みの国」を取り戻して欲しい。
 プミポン国王と並んで作品の中で尊敬の念を集めているのが、プロテニス選手のパラドン・スリチャパン。パラドンをサッカー選手と勘違いするという笑いは、タイの人かテニス・ファン以外には通用しないだろうが、敬虔な仏教国であるタイの人々は、尊い存在に敬意を払う心を失っていないということをしみじみと感じた。

 そうそう、サガイ・ユナイテッドが出演するトーク番組の司会役で、ペットターイ・ウォンカムラオが特別出演していた。

アフロサッカー [DVD]
アートポート
2006-11-24

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