救いはないのにスッキリ チェイサー

チェイサー THE CHASER
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 「火天の城」を意外にあっさりと見てしまった直後なので、この作品のインパクトは強烈。もっとも、同じく猟奇殺人を扱った「殺人の追憶」や「H(エイチ)」に比べると、まだ当たりは柔らかいと言っていい。それでも、ミジン(ソ・ヨンヒ)を探して最初から最後まで走り続ける元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)の迫力には圧倒される。虐殺シーンこそ省略されてはいるものの、暴力シーンも容赦ない。賛否両論あるにしても、この徹底した感情描写(暴力描写と言うべきではない)こそが韓国映画の魅力であり、邦画にはなかなか見当たらないところだ。受け取り方に個人差はあるだろうが、嫌な気持ちにはなっても決して下品にはなっていない。
 最初から犯人が分かっていても被害者の居場所が分からないし、信憑性のない自白以外に逮捕する証拠が見つからないという筋立ても巧くできている。また、ミジンの娘(キム・ユジュン)の存在も大きく、ジュンホが彼女と接するうちにミジンを探す目的が変わっていくところが作品に奥行きを与えている。子役の彼女がいなければこの物語は成立しなかったと言っていい。
 決してハッピーエンドではなく、むしろ救いすらないラストなのに、満足感があるのは不思議である。それにしても、実際の事件を元にしていると言いながら、事件の被害者たちに人権的な配慮はないのだろうか。

作品データ
監督:ナ・ホンジン 出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ他 製作年:2008年 製作国:韓国


チェイサー ディレクターズ・エディション【初回限定生産2枚組】 [DVD]
角川エンタテインメント
2009-10-02

ユーザレビュー:
韓国人の叫びが聞こえ ...
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まるで本当の殺人事件 ...
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