舞台劇を見ているような ジャーロ

ジャーロ Giallo ☆

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 ダリオ・アルジェントといえば一般的には「サスペリア」なのだろうが、私にとっては何と言っても「フェノミナ」である。ジェニファー・コネリーの透明感のある美しさ、独特の静けさの中に織り込まれるショッキングなシーン、ゴブリンの音楽はいまだに印象深い(もっとも、インテグラルハード完全版のLDとDVDを所有し、何度も繰り返し見ているのだが)。
 そのダリオ・アルジェントが70歳を目前にしてメガホンをとったのがこの作品。イタリアを舞台に若い女性ばかりを狙った猟奇殺人鬼を追い詰めるサスペンスである。あの「フェノミナ」の衝撃を再び味わえるかと楽しみにして見たが、どうにも宙ぶらりんな状態で放り出されてしまった。

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 エンツォ警部を演じるのは「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディだが、幼い頃に目の前で母親を惨殺され、後にその仇を討って犯人を殺した過去を持っている。それを目撃した警官が事情を知って見逃してくれたというのも不自然ならば、さらに刑事になっているというのもリアリティがない。モデルの妹が猟奇殺人鬼に連れ去られ、エンツォとともに犯人を追うのがエマニュエル・セニエ。若い頃ならともかく、ヒステリックなおばさんとしか見えず、このテの作品にありがちなエロティシズムは最後まで感じられなかった。物語はほとんどが2人のやりとりなのだが、まるで舞台の芝居かミュージカルでも見ているような演技が気になった。犯人の生い立ちなど、かつてのアルジェントの作品に共通するテーマも見え隠れするが、とうとう完結せずにエンディング。
 ギャラ不払いなどの訴訟問題で国内盤DVDの発売が中止されたらしいのだが、案外売れないと判断されただけかもしれない。そうだとすれば寂しい限りだ。

作品データ
監督:ダリオ・アルジェント 出演:エイドリアン・ブロディ、エマニュエル・セニエ他
製作年:2009年 製作国:アメリカ、イタリア


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