見れば見るほど味が出る 疾走

疾走

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 小説の場合、イメージの中で再現されるシーンは読者の手持ちのパーツを用いて構成されるが、映画の場合は外部にあるパーツを用いてシーンが構成されるため、不特定多数の観客全てが作り手のイメージに共感することはあり得ない。さらに映画がSFやアクションなどの非日常を描いたものであれば見る側の想像を超える映像を提供すればそれで済むところもあるが、人々の日常を描こうとする場合は、見る側の置かれている環境が作品の評価を左右することにもなる。
 盛りだくさんのテーマを2時間余の映画に詰め込んだ意欲作である。もっとも、このテの作品はこれまでもたくさん作られており、どうしても既視感がつきまとう。しかも、ストーリーそのものは救いを見出しがたく、後味もあまりよくない。最初に見たときは何ともやり切れない気分だけが残り、それほど印象に残る作品ではなかった。
 しかし、何となく集中力に欠けて見ていたような気がして見直してみると、今度はすっと物語が心の中に入ってくるような気がした。1回見たことで手持ちのパーツになったということか、主人公たちの置かれている状況がすんなり理解できるような気がしてきた。ストーリーやテーマは目新しいものではないが、手越祐也と韓英恵の若々しく尖った感じが心地よく、脇を固めるベテラン俳優たちの一歩引いた立ち位置も絶妙だった。ちなみにこの作品の豊川悦司も悪くない。
 ジャケットの解説に先入観を持って見てしまったが、2度目はなかなか見応えがあった。

作品データ
監督:SABU 出演:手越祐也、韓英恵他 製作年:2005年 製作国:日本


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角川ヘラルド映画
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