圧巻、佐藤寛子 ヌードの夜

ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う ☆

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 キャストからいえば何といっても竹中直人と大竹しのぶだろう。このテの男の哀れさ、滑稽さを演じさせたら竹中直人の右に出る者はいないし、大竹しのぶが演じた女の怖さや狂気もベテランならでは。この2人には唸らされたが、それ以上に強いインパクトを残したのは佐藤寛子だ。使い古された「体当たりの演技」という言葉だが、まさにこの作品の彼女にぴったり。この作品を購入した動機の一つはグラビアアイドルの彼女がヘアヌードになるという点だったが、実は彼女そのものにそれほど関心があったわけでもない。彼女の演技といっても「仮面ライダーディケイド」くらいしか印象がなかったのだ。しかし、この作品では彼女のヌードはもちろんのこと、演技にも感心した。彼女が演じた「れん」は複雑な過去を抱え、少女の清純さの裏に狂気を併せ持つ難しい役。竹中直人演じる紅次郎を籠絡するだけの魅力を演じきれるかどうかがポイントだったが、あの「れん」ならば紅次郎でなくても虜になってしまう。石井隆監督の「人が人を愛することのどうしようもなさ」では、喜多嶋舞が(「体当たりの演技」だったにもかかわらず)説得力を持ち得なかったために作品も中途半端になった感があるが、佐藤寛子の「れん」は説得力十分。彼女が竹中直人や大竹しのぶに負けない存在感を出せたのだから「キネマ旬報」のベスト10に入ったのも頷ける。ディレクターズカット版で復元されたシーンが説得力をさらに増したことは言うまでもないが、ストーリー、キャストを含め、この作品そのものに納得させられた(最後のドゥオーモのシーンは長過ぎ?)。いまでも何がそれほどまで自分を惹きつけるのか説明がつかない状態だが、この作品を見終えた直後から様々なシーンが頭の中で繰り返されている。
 また、安斎刑事を演じた東風万智子が真中瞳のことだと知ったのは作品を見たあと。以前とは雰囲気ががらりと変わり、抑えめの演技に惹かれた。竹中直人との絡みも期待したが、そこまで混線させる必然性はないか。
 全編を通して暗いシーンが多いので、 Blu-ray で大正解。「ヌードの夜」も見直してみたいが、 Blu-ray で出てくれないだろうか。

作品データ
監督:石井隆 出演:竹中直人、佐藤寛子他 製作年:2010年 製作国:日本




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