堤真一の置き場所 孤高のメス

孤高のメス

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 堤真一が日本を代表する映画俳優であることは言うまでもない。ところが、彼の位置づけとなるとはっきりしていないような気がする。「世界の」渡辺謙や「トヨエツ」豊川悦司ほどの存在感はなく、竹中直人や香川照之のように脇役として強烈なインパクトを残すというわけでもない。作品そのものも上質のものが多く、「いい映画だったなあ」と思わせるのに、意外なほど堤真一の印象は長続きしない。一つには彼の器用さが災いしているのだろう。渡辺謙や豊川悦司はどんな作品であっても、どこを切り取っても「渡辺謙」や「豊川悦司」なのだが、堤真一の場合は役の振り幅が大きく、しかも演技が達者なために俳優としての存在感が作品の中に埋もれてしまうのだ。
 この作品は人気マンガが原作ということだが、ストーリーを換骨奪胎してすっきりわかりやすくまとめている。堤真一演じる外科医の当麻、夏川結衣演じる看護婦の浪子、余貴美子演じる女性教師・武井の3人が柱となり、脳死状態となった武井の息子の肝臓を、病に倒れた市長(柄本明)に移植するというクライマックスに向かって脇道に逸れずに物語が進行する。脳死肝移植という微妙な問題の取り上げ方には賛否両論ありそうだが、見る者を考えさせながらも後味の悪い作品にはしていない。センセーショナルな題材を、善くも悪くも落ち着いてまとめた作品である。
 そして最後に触れないわけにはいかないのが余貴美子の存在。息子が事故で脳死状態になってからの武井の悲しみと、臓器提供を決断するまでの心情の変化を見事に演じていた。


作品データ
監督:成島出 出演:堤真一、夏川結衣他 製作年:2010年 製作国:日本


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