一級の娯楽映画 告白

告白

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 「キネマ旬報」ベストテンでは「悪人」の後塵を拝して2位に甘んじた「告白」だが、個人的には「悪人」をはるかにしのぐ面白さと問題提起、そして主演女優の松たか子の存在感があったように思う。露悪的ともいえる展開は、強いイパクトを与えながらも、不思議なことにそれほど後味の悪さを感じさせない。これも脚本と演出のなせる技。ヒューマニズムではなく、エンターテイメントを前面に押し出したところは評価が分かれるところだろうが、ありきたりな人間描写に留まった「悪人」よりも、「告白」の方が実際の人間の姿を描き出していたのではないだろうか。
 原作は未読なので「娘を殺された女教師の、命の授業が始まる」という映画のコピーを見て、「感動作」に違いないと勝手な想像をしていたが、見事に予想を覆されてしまった。これでもかと人間の醜さを暴き立てる展開もうまく、中学生を演じた子役たちも、未成熟な人間が持つ怖さや危うさを巧みに表現していた。
 いまだに子供が「純粋無垢」であると信じたい大人は多いのだろうが、松たか子演じる中学校教師の森口悠子が言うように、決して子供は無条件に信じていい存在ではないのだ。映画とはいえ、教師としては問題発言だと思う向きもあるだろうが、現代の教育には彼女のような視点も必要なのではないだろうか。少なくとも私自身は、子供を無条件に信じるような教師に、自分の子供を預けたくはない。
 人間を描くシチュエーションとしては特に中学校である必然性はないのだが、未成熟な現代社会の縮図としてはこれ以上のものはなかったのかもしれない。
 ところで、「告白」の場合は原作を読まずに映画を見て正解のパターン? 原作を読むしかないか。

作品データ
監督:中島哲也 出演:松たか子、岡田将生他 製作年:2010年 製作国:日本


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