王道の安心感 イップ・マン

イップ・マン/序章 IP MAN ☆

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 やはり香港映画は見ていて安心感がある。香港映画によって「電影迷」のアイデンティティを確立した私にとって、このテの作品は実家に帰省するようなもの。展開はジェット・リーの「ワン・チャイ」シリーズや「SPIRIT」と大きな違いはない。葉問(イップ・マン)のキャラクターも、黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)などの描かれ方と同様。決して自分から戦いを仕掛けることはなく、やむにやまれず正義のため、民族の誇りのために戦うのだ。もちろん、実際には葉問にしても黄飛鴻にしても、最初から無敵だったはずはないが、映画の中では最初から向かうところ敵なし。その代わり妻には弱い。黄飛鴻が叔母のロザムンド・クワンにタジタジだったのと同じである。そういう人間くさいところが中国の人たちに親近感を抱かせるのだろう。
 そんな中国人にとってのヒーロー葉問を、地味なドニー・イェンが演じた点にこの作品がヒットした原因があるのだろう。もちろん、ドニー・イェンといえばジャッキー・チェンやジェット・リーに次ぐ香港を代表するアクション・スターであり、ヒット作を多く手がけた映画監督でもある。しかし、脇役として渋い演技は印象に残っても、主演作のインパクトは弱い。はっきり言って「華がない」のだ。それがこの作品では、葉問のキャラクターに重みを与え、ドラマの部分でも強い印象を残した。
 また、池内博之の好演も見逃せない。アクション映画初出演とは思えない存在感を発揮し、敵役でありながら「求道者」としての印象もしっかりと残したのではないか。さらにもう1人印象的な俳優をあげるとすれば、葉問の友人の実業家を演じたサイモン・ヤム。これまで数々のアクの強い役を演じてきた彼が、全く強さを感じさせないオヤジを演じた演技力に脱帽である。

作品データ
監督:ウィルソン・イップ 出演:ドニー・イェン、池内博之、サイモン・ヤム他
製作年:2008年 製作国:香港


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