現代を象徴した夢物語 エンジェルウォーズ

エンジェルウォーズ Sucker Punch (海外版 Blu-Ray) ☆

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 日本で発売される Blu-Ray は必要のないDVDとのツインパック。海外版を調べると Extended Cut は劇場版との Blu-Ray の2枚組で、日本語字幕も収録されていることがわかったので eTHAICD.COM から購入した。Amazon の掲示板を見ると、Blu-Ray は日本語字幕が収録されていればUK版を買い求める人も増えているらしい。初回限定といいながら、新作はなかなか Blu-ray 単体で再リリースされることもない。日本のメーカーも、割安感を演出して無駄なディスクを押しつける商売を見直さないと映画ファンにそっぽを向かれてしまうかもしれない。

 いかにも格闘ゲームが原作かと思うような作品だが、そうではない。 「300〈スリーハンドレッド〉」などのザック・スナイダー監督のオリジナル作品で、精神病院に入れられた少女の、妄想の中で行われる「自由」を求めての戦いがテーマになっている。
 継父の虐待を受けて精神病院に入れられた少女「ベイビードール」が、現実逃避の手段として妄想したのが、「ムーラン・ルージュ」のような劇場を持つ売春宿。ベイビードールは仲間たちとそこからの脱出を図るが、脱出するために必要な地図やナイフなどのアイテムを手に入れようとすると、さらに物語は戦場に切り替わり、彼女たちはゾンビ兵やドラゴン、サイボーグたちと派手な戦闘を繰り広げる。
 言葉で説明するのは難しいのだが、いまひとつ理解できないまま見ていても映像や音楽がよく出来ているので決して退屈させない。そして最後まで見ているときちんと物語に決着がつくようになっている。もっとも、決着というのも後味がよいものではない。閉塞感が漂い、見えない出口を求めてさまよっている現代人を象徴したような物語なのだ。しかし、その戦いに身を投じているのがエミリー・ブラウニングらの20代前半の魅力的な女優たちなので、この複雑な世界に惹きつけられてしまう。
 アクションに関しても彼女たちはかなりの訓練を積んでおり、高度なCG技術と併せて非常に見応えのある映像となっている。そしてさらに素晴らしいのが「ムーランルージュ」を彷彿とさせる絢爛豪華な歌とダンス。これもこだわりをもって撮ったということが特典映像のザック・スナイダー監督の言葉からもうかがえる。いかにも Blu-Ray 向きの作品だった。
 マシンガンを持った「ふしぎの国のアリス」とザック・スナイダー監督は語っているが、「マトリックス」や「インセプション」の世界観に「ムーランルージュ」を持ち込んだといった方がわかりやすいかもしれない。私から見れば「ラビリンス魔王の迷宮」のサラが集団でハードな戦いに身を投じたといった印象なのだが。 

作品データ
監督:ザック・スナイダー 出演:エミリー・ブラウニング、ヴァネッサ・ハジェンズ、アビー・コーニッシュ他
製作年:2011年 製作国:アメリカ


エンジェル ウォーズ Blu-ray & DVDセット
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-08-12

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