映画の愉しみ うほほいシネクラブ

『うほほいシネクラブ 街場の映画論』 内田 樹 (文春新書) 

画像


 映画の場合、映像と音声の圧倒的な力(あるときは暴力にも)の前に想像力はほぼ無力といってよく、小説のように「行間を読む」といわれるような形でそれぞれが自由に自分の想像の世界に遊ぶことは難しい。そのために映画を論じるときは、作り手の意図の方にばかり気をとられ、作品論よりも作家論に傾きがち。映画批評を別にすると、作品一つ一つを読み解くような映画論にはあまりお目にかかったことがない。もちろん、この『うほほいシネクラブ』も小津安二郎やクリント・イーストウッドなど「作家論」にも紙面を割いているが、それ以上に面白いのが「作品論」。巻末の映画名索引によると本書で取り上げた作品は180本を超える(私が見たことのある作品は半分ちょっと)。本人は「映画評」としているようだが、作品の人物造型や時代背景などにも触れ、短いながらも核心を鋭く突いた「作品論」である。ある面、思いつきともいえる内田の指摘が的を射ているかどうかはともかく(折口信夫をちょっと連想)、個人的には共感できる点が多々あった。

 映画を語るなら、いずれはこのくらいのことを書けるようにならなければ、とこれからの精進を誓うのであった。


うほほいシネクラブ (文春新書)
文藝春秋
内田 樹

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by うほほいシネクラブ (文春新書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック