買うなら「文藝春秋」  『共喰い』

『共喰い』 田中慎弥 (集英社) ☆

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 第146回の芥川賞受賞作。いつもなら直木賞の受賞作も掲載される「文藝春秋」を買うところだが、今回はあまりにも話題になったので雑誌の発売日を待ちきれずに単行本を買ってしまった。
 読み終えた感想は選考委員だった石原慎太郎の言葉ではないが、「期待はあまり報いられなかった」というところ。内容がセンセーショナルに取り上げられていたせいで、勝手に期待を膨らませてしまったのか。筆力は認めるものの、内容については肩すかしだった。映画に例えるならば劇場公開を前提とし、メジャーな役者を使って撮った作品ではなく、なるべく安く仕上げて過激な内容でDVDを売ろうと作った映画という印象(具体的な作品名をあげればわかりやすいのだが、差し障りがあるので想像にお任せする)。
 むしろ私が感心したのは一緒に収録されている「第三紀層の魚」の方である。この作品を読めたことは単行本を買った収穫だが、コストパフォーマンスからすると円城塔の「道化師の蝶」も読むことができる「文藝春秋」3月特別号を買うべきだった。そう感じるのは私も石原慎太郎同様に歳をとったせい?


共喰い
集英社
田中 慎弥

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