地味な「巨大な陰謀」 ゴーストライター

ゴーストライター TGE GHOST WRITER 【DVD】

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 99歳の新藤兼人監督の作品に続き、80歳間近の巨匠ロマン・ポランスキー監督による「ハリウッド映画ではない」という一言に尽きる作品。
 監督が高齢だからというわけではないのだろうが、「一枚のハガキ」に共通するリアリティのなさを感じさせる作品だった。ロマン・ポランスキー監督がアメリカに入国できないため、アメリカを舞台にしていてもアメリカっぽさが全くなく、「巨大な陰謀」がいまひとつピンとこないのだ。情報機関の暗躍を直接に描く必要はないとはいえ、元英国首相の背後にある闇の深さが描き切れていないため、ゴーストライターの身に降りかかる危機も伝わりにくい。事前情報で「巨大な陰謀」とすり込まれているのでドキドキしながらストーリーを追うのだが、ラストで暴かれた秘密も「なるほどねえ」とは思うものの、それほど衝撃的でもない。もっとも、現実というのは案外そういうものなのかもしれないが。ユアン・マクレガーにしてもピアース・ブロスナンにしても、彼ららしさを出しながらも意外に地味な役柄で終始した点は好感が持てる。一方、「セックス・アンド・ザ・シティ」のキム・キャトラルが、この作品ではずいぶん枯れた印象。年齢相応の意図的な装いなのだろうが、「マネキン」のフレッシュな輝きはそこにはない(「マネキン」当時も30歳だったのだが)。しかし、このシブさはさらに年を重ねるごとに輝きを増しそうだ。

作品データ
監督:ロマン・ポランスキー 出演:ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン他
製作年:2010年 製作国:フランス、ドイツ、イギリス



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