オーラを消したジェット・リー 海洋天堂

海洋天堂 Ocean Heaven ☆ 【BD】

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 中華系映画ファンの間では早くから注目を集めていた作品。シュエ・シャオルー監督(脚本も担当)の10年以上にわたるボランティア経験から生み出された自閉症の息子と末期の肝臓癌に冒された父親の物語である。
 ジェット・リーがノーギャラでの出演を申し出たことでも話題になったが、彼がアクション・スターのオーラを完全に消し去って21歳の自閉症の息子を育てる水族館技士ワンを好演している。どうにでもドラマティックに展開できそうなストーリーを、シュエ・シャオルー監督はあえて淡々と描き、ジェット・リーも本当に地味な父親に徹した。ジェット・リーを知らない人が見たら彼が世界的なアクション・スターだとは想像もつかないに違いない。かつてジャッキー・チェンも、古くは「奇蹟/ミラクル」、最近では「新宿インシデント」などで人間を表現しようとして、なかなかアクション・スターのオーラを消すことができなかったのとは対照的。四十代後半というジェット・リーの年齢もタイミングがよかったのだろう。
 そしてジェット・リーの自閉症の息子大福(ターフー)を演じたのはウェン・ジャン。彼はこの作品のあと「白蛇傳説」でもジェット・リーと共演しているが、「フォレスト・ガンプ」のトム・ハンクスや「レインマン」のダスティン・ホフマンにも匹敵する名演と言ってもいいのではないか。
 また、彼ら親子を支える周囲の人々も必要以上に存在を主張しないところがいい。孤児のピエロ役で大福の理解者となるグイ・ルンメイ、ワンに密かに思いを寄せるジュー・ユアンユアンなど、これまであまり馴染みのない女優だが、見事に「海洋天堂」の世界のピースになっている。
 こういう「お涙ちょうだい」ドラマから受ける印象は人それぞれだが、押しつけがましくなく、優しい気持ちで見ることができた。現実はこの作品ほど甘いものではないかもしれないが、誰もが相手のことを思いやり、助け合っていけるような優しい世の中を作っていきたいものだ。

作品データ
監督:シュエ・シャオルー 出演:ジェット・リー、ウェン・ジャン他
製作年:2010年 製作国:中国


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