さすがC.イーストウッド J・エドガー

J・エドガー J.EDGAR 【BD】

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 レオナルド・ディカプリオの熱演もさることながら、唸らされるのはクリント・イーストウッド監督の巧さ。今作では監督・製作・音楽を担当しているが、彼は毎度のことながら観客が望んでいるものを絶妙のバランスで描き出す。ちょっとでもバランスを崩すと感動の押しつけになったり、作り手側のマスターベーションで終わるところを、見事なさじ加減でまとめるのだ。現在、彼は82歳だが、これからも映画を撮り続けるならば、俳優としてのキャリアは監督としてのキャリアに覆い隠されてしまうのではないかと心配になる。

 FBIに君臨したJ・エドガー・フーヴァーは、ミステリ小説のファンにはなじみが深い。歴代の大統領らの秘密を握り、それゆえに50年近くも長官のイスに座っていたとも言われている。映画では、この謎が多いエドガーの人間的な側面にスポットを当てているだけではなく、犯罪捜査の手法が彼の手によって劇的に進歩したことや、リンドバーグ愛児誘拐事件などについてはサスペンス映画の要素も加え、最初から最後まで飽きさせない。一方で、ディカプリオが20代から70代までを1人で演じているのだが、ハリウッドが好んで行う老けメイクにはやや違和感も残った。ディカプリオはともかく、副長官のクライドを演じたアーミー・ハマーはもはや人間離れしてゾンビに近い。確かにフーヴァーは80歳近い高齢になっても長官を勤めていたのだが、あれほど無理に老けさせる必要はなかったのではないか。老けさせたければ晩年はジャック・ニコルソンなど別の俳優に演じさせるとか。実際、ディカプリオの老けメイクはジャック・ニコルソンを彷彿とさせた。
 また、主要キャストではないが、リー・トンプソンが出ていたのも嬉しい。エンド・クレジットで初めて気がつき、慌てて見直してみると、確かにジンジャー・ロジャーズの母親役で出演している。まさに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティの母親役を老けメイクなしで演じているのだ(もっとも、若干は老けメイクしているが)。

 数々の名作を残してきたイーストウッドが、またここに地味であるが、印象に残る名作を作り上げた。

作品データ
監督:クリント・イーストウッド 出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー他
製作年:2011年 製作国:アメリカ



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