親しみやすいリスベット ミレニアム

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女〈完全版〉 MILLENNUM THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO  【DVD】

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 ダニエル・クレイグ主演のハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」を最初に見て、そのあと(悪評高い)楽天koboで原作であるスティーグ・ラーソンの『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を読み、最後にスウェーデン版の「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を鑑賞。順序はめちゃくちゃだが、結果的には正解だったような気がする。
 映画としてはこのスウェーデン版がオリジナルであり、リスベットを演じたノオミ・ラパスがこの作品で注目され、「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」のヒロインに抜擢されることになる。読み応えのある原作を工夫して圧縮しているが、それでも186分の大作。ハリウッド版が158分であることを考えるとかなり原作に忠実なのかと期待したが、意外にもスウェーデン版はエピソードを割愛するだけでなく、オリジナルの設定も多い。ハリウッド版はスウェーデン版のリメイクではなく、原作を再映画化したということになるようだ。 
 スウェーデン版とハリウッド版の一番の違いはリスベットのキャラクターだろうか。シリーズ化を見越して一般に親しみやすいキャラクターを考えたのか、他者に対して心を閉ざしているはずのリスベットがそれなりに他人と言葉を交わしている。原作では他人を信じることができないリスベットが、徐々にミカエルに心を開いていき、人間そのものを信じるようになっていくところが魅力の一つ。ハリウッド版のルーニー・マーラが冒頭から他人を寄せ付けない刺々しさを見せていたのに対し、スウェーデン版のノオミ・ラパスからは柔和な印象を受けてしまう。ミカエルとリスベットの結びつきを印象づけるためには彼女の孤独感をもっと強調するべきだったと感じた。
 また、ハリエット失踪の秘密が明らかになる後半の展開は、いずれの映画も原作と異なる。原作にはハリウッド版の方が近いような気がするが、連続殺人事件の犯人が明らかになったあとの原作の面白さは十分に描き切れているとはいえない。最初に見た印象を超えてインパクトを与えることは難しいのだが、個人的にはハリウッド版に軍配を上げたい。

作品データ
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ 出演:ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス他
製作年:2009年 製作国:スウェーデン


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