さらに面白かった ミレニアム3

『ミレニアム3/眠れる女と狂卓の騎士』 スティーグ・ラーソン  ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳 早川書房 ☆ 

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 これもまた電子書籍の 楽天kobo で読んだ。注文している Nexus7 が届けば電子書籍も kobo で読むことはないだろうからおそらく kobo で読む最後の1冊ということになるだろう。
 kobo のことはともかく、『ミレニアム』3部作は文句なしに面白かった。二匹目のドジョウどころか、三匹目のドジョウも一匹目以上の大物。惜しくも亡くなってしまったスティーグ・ラーソンには4作目、5作目の構想もあったというから何とも惜しい。
 ミカエル・ブルムクヴィストとリスベット・サランデルという2人を中心に据えながらも、1作目や2作目とは全く違ったストーリーが展開する。さらに3作目はリスベットだけではなく、女性たちが大活躍。『ミレニアム』の共同経営者のエリカ・ベルジェ、ミカエルの妹の弁護士アニカ・ジャンニーニ、ストックホルム県警のソーニャ・ムーディグ、公安警察のモニカ・フィグエローラらが男性を押しのけて事件の解決に奔走し、この点もまた1作目や2作目とは違った魅力になっている。
 『ミレニアム』シリーズのストーリーの特徴は、次々に起こる事件そのものをおどろおどろしく描くところにあるのではなく、一つの事件の背後で蠢く人々や組織と、その秘密を暴き、事件を解決に導こうとする主人公たちの水面下の駆け引きが緻密に描かれる点にある。そのためにこの先はどうなるのかとドキドキわくわくすることはあっても、決してストレスは感じない。そして最後の最後でバラバラになっていたピースがぴったりとはまる快感は、他の作品ではなかなか味わえないものがある。
 コンピュータの天才のリスベットだが、今回は特にパソコンの遠隔操作ウイルスが話題になっている時期だっただけに、スティーグ・ラーソンのアイディアの活かし方には脱帽した。
 スウェーデン本国で出版されたのはもう5年も前になるので、いまさらブログで取り上げるのも恥ずかしいのだが、ここ数年読んだミステリの中ではピカイチの作品。『二流小説家』や『愛おしい骨』もそれぞれ十二分に面白かったが、ボリューム、内容ともに『ミレニアム』シリーズに軍配が上がる。


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