読みやすいのが玉に瑕 悪の教典

電子書籍版『悪の教典(上・下)』  貴志祐介 文藝春秋社 ☆ 【eBookJapan】

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 楽天kobo を見限って Nexus7 にインストールした eBookJapan のブックリーダーで読書。ついでに Amazon の kindle 無料アプリもインストールしたので、よほどのことがない限り楽天kobo に戻ることはなさそうだ。

 三池崇史監督によって映画化され、現在話題になっている作品である。最近ではAKB48の大島優子発言でも、その悪趣味なまでの惨殺シーンが改めて注目を集めることになった。実際に映画は見ていないので論評はできないが、BDが発売されたらもちろん買おうと決めている。たとえ映画としては駄作だったとしても、マニアとして(何の?)このテのジャンルの作品を手元に置かないわけにはいかないのだ。

 肝心の小説だが、一度ページを開いたら途中でやめられなくなるほど面白い。特にも主人公の蓮見を通して描かれる同僚の高校教師像にはニヤリとさせられる。大胆なストーリーもさることながら、様々なキャラクターの教師と生徒が登場する点もこの作品の魅力の一つ。デフォルメされているとしても、教師といっても人間なのだから他の職種の人とそう違うわけではないのだ。しかし、小説のねらいは十分に評価できるのだが、文体が私には合わなかった。どちらかというと読みやすい文体であり、それがベストセラーになった理由の一つでもあるのだろうが、テーマがテーマなだけに、もう少し時間をかけてジワリジワリと読んでいきたかった。翻訳のミステリや京極夏彦などを多く読んでいることもあり、ある程度歯ごたえがないと物足りないのだ。情報的にもボリュームがあるだけにサクサクと読めるのはもったいない気がした。また、共感能力を欠いた主人公の蓮見だが、自意識過剰で、考えていることが安易に読めてしまう点もやや興ざめ。読者の共感も拒むような冷徹さがあれば、怖い小説になったと思うのだが。
 ともかく、三池崇史監督にとっては極上の材料であるはず。どのように料理してくれるか楽しみである。


悪の教典 上 (文春文庫)
文藝春秋
2012-08-03
貴志 祐介

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悪の教典 下 (文春文庫)
文藝春秋
2012-08-03
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