ハッピーエンドと言っていい 蝉の女

蝉の女~愛に溺れて~ ☆ 【DVD】

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 一応、「劇場公開作品」となってはいるものの、DVD販売の宣伝を目的とした限定上映のようなので、オリジナルのDVD作品と言っていいだろう。一般にこのテの作品は劇場公開を目的とした作品に比べると予算規模も小さく、キャストも小粒になる。たとえ評価できるとしても挑戦的な描写、実験的な作風だけ、といった作品が多い中で、この作品は十分に「映画」としての味わいがある。
 勝因の一つはキャスティングに成功したこと。このシリーズは「Love and Eros CINEMA COLLECTION」というくらいだから当然のようにセクシー女優をメインに据えているのだが、露出度が高いだけでは中途半端なAVに終わってしまう。その点、主演の七海ななは意外に健闘。さすがに女子高生の役はそろそろ限界だが、過酷な境遇に感情を捨て去った主人公を好演している(感情表現豊かな演技を要求されなかったことが幸いしたのかもしれない)。AV女優にありがちな、少し枠をはみ出してしまった印象がないのだ。また、売春婦役ということもあって露出度も高く、その点も期待を裏切らない。無粋な修正が入らないアングルで丁寧に撮られていることも評価できる。
 そしてそれ以上に存在感を示したのは相手役の駒木根隆介。容姿はさえないが、人柄のよさが画面ににじみ出ていて、男性から見ても嫌悪感を感じさせない。物語の進行につれて彼に感情移入してしまった。初めて意識した俳優だが、そのうち表舞台に出てくるかもしれない。他にも冨樫真、中西良太、さらには萩原流行や下條アトムなどのビッグネームも出演して物語を締めている。
 「現代の遊郭」という設定には違和感があり、ソープランドなど現在の性風俗はもっとカラっとした印象がある(残念ながら行ったことはないので実態は知らないが)。しかし、現代にもこういう物語があってもいいのではないかと感じさせられた。最初に設定したハードルがあまりにも低かったために反動で評価が高くなってしまったが、だめもとで買った作品にしては後悔はない。ラストも予想できる展開ではあるものの、解釈の仕方によってはハッピーエンドとも受け取れ、後味は悪くなかった。

作品データ
監督:森岡利行 出演:七海なな、駒木根隆介、冨樫真他
製作年:2012年 製作国:日本


蝉の女 愛に溺れて [DVD]
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