焼きが回ったウディ・アレン  ミッドナイト・イン・パリ

ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris 【DVD】

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 ウディ・アレンの作品は、どこかシニカルというイメージがあったのだが、この作品は最初から最後まで非常に心地よい。さすがのウディ・アレンも77歳になって焼きが回ったのかと思いつつ、振り返ってみると彼の名前を知っているほど作品を見ていないことに気がついた。調べてみるとタイトルに記憶があるのは、80年代の「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」「ラジオ・デイズ」くらい。大学の恩師が「カイロの紫のバラ」を評価していたことは覚えているが、内容は思い出せないのでちゃんと見ていたかどうかも実は怪しい。
 それにしても、大御所のウディ・アレンが、軽やかに、現代風に、1920年代を描いているのは少し意外。1920年代の芸術家たちに、ギル(オーウェンン・ウィルソン)の生きる2000年代を「一刀両断」させたり、憧れの1920年代に「落とし穴」を設けたりするのかと思いきや、19世紀のパリに憧れるアドリアナ(マリオン・コティヤール)を通して、現在を生きるしかないということをギル自身に気づかせる。深みや重みには欠けるものの、後味も爽やかで、スマートな作品。
 「シャンハイ・ヌーン」のオーウェン・ウィルソンは良くも悪くも存在感が薄く、「ここではないどこか」に憧れる主人公ギルを自然に演じている。たぶん、彼と同じような思いは誰もが抱いているはずで、私自身も例外ではない。バブル全盛期にも何となくなじめなかった20代の頃は、昭和30年代後半の高度経済成長期に生きてみたかったなどと考えていた。ヒロインのマリオン・コティヤールは、たとえ自分の身近にいても付き合いたいと思うタイプではないのだが、映画女優としては非常に魅力的。単に色気というだけでは表現できない吸引力がある。
 憧れの時代にタイム・スリップして偉人たちと会うというパターンに目新しさはないが、今を大切に生きていこうと思わせる、特に男性にはオススメの作品。

作品データ
監督:ウディ・アレン 出演:オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール他
製作年:2011年 製作国:スペイン、アメリカ


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