予定調和だけど わが母の記

わが母の記 Chronicle of My Mother 【DVD】

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 「キネマ旬報」の2012年ベスト・テンでは第6位の作品。キャストからして悪い作品であろうはずはないのだが、タイトルにもストーリーにもどうも食指が動かない。ところが、やっと重い腰を上げて見てみると、冒頭から役所広司や樹木希林の演技に引き込まれる。この作品を薦めてくれた友人の言うとおりだった。
 特に役所広司だが、何本も主演作を見ているのに、既視感がない。いつも彼が演じるのは本人のキャラクターからかけ離れた人物ではないのだが、劇中の人間関係をしっかりと作り上げているためにワンパターンに見えないのだろう。今回も母親役の樹木希林や娘役の宮﨑あおいだけではなく、彼を取り巻く人々との世界がきちんとできている。独りよがりの演技をしてそれを個性だと勘違いしている人気俳優も多い中で、さすがに役所広司だけのことはある(この作品を見たあとに「朝日新聞」の三谷幸喜のエッセイを読み、ますます役所広司はすごいと思うようになった)。
 また、樹木希林のふっと遠くを見るような力の抜けた演技もすばらしく、若い宮﨑あおいも役所や樹木に負けていない。宮崎あおいを甘く見ていたが、彼女はただ立っているだけで雰囲気を作れる役者だったのだ。さらに目立たずに存在感を見せていたのが役所広司演じる伊上の妻を演じた赤間麻里子。映画初出演ということだが、これがまた巧い。もう40代らしいので、今後も脇役として活躍していくのだろうか。
 原田眞人監督は変化球が得意な人かと思っていたが、直球勝負もできる人だったのだ。面白かった。

作品データ
監督:原田眞人 出演:役所広司、樹木希林、宮﨑あおい他
製作年:2012年 製作国:日本


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