正義は勝つ? トガニ

トガニ 幼き瞳の告発 Silenced 【DVD】

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 韓国で実際に起きた障害児学校での児童虐待事件をもとにした作品。映画のヒットによって事件は再捜査され、被告たちに改めて実刑判決が下されたというから作品の社会的な影響力も大きかったらしい。
 印象としては周防正行監督の「それでもボクはやってない」に近いような気がした。一方はえん罪を晴らそうとする物語で、こちらは教師たちの悪行を暴こうとする物語だが、いずれも法廷で真実を明らかにしようとする点では共通する。もっとも、韓国は日本以上に縁故の力が大きく、権力者たちが手を結んでしまえば虐待や暴行という明白な反社会的行為に対しても正義は無力。実際にはマスコミを味方につけて最終的に真実を明らかにしたのだが、映画そのものは不当判決で終わっているのでカタルシスはない。その点も「それでもボクはやってない」に似ているといえる。めでたしめでたしで終わってしまっては告発の意味をなさないので、エンターテイメントとしてぎりぎりのところで映画は終わっているのだ。
 デリケートな題材なので韓国映画にしては珍しく控えめな描写という気もするが、それでも日本映画では描けない残酷な場面を子役たちが見事に演じている。しかも、聴覚障害者で言葉が話せないという難役をこなしているのだから驚いてしまう。文字通り彼らも作品の成功の立役者である。
 日本で映画化されるとすれば、美術教師のカン・イノは田中実で、人権センターのソ・ユジンは富田靖子で決まりという感じ。もっとも、印象だけで年齢までは考慮していないが、このたとえで作品の雰囲気がわかってもらえるのではないだろうか。

 一つだけ気になるのは、映画として見るには問題ないのだが、事件の真相は必ずしも映画通りとは限らないということ。別の角度から見ると別な「真実」も見えてくるのかもしれない。

作品データ
監督:ファン・ドンヒョク 出演:コン・ユ、チョン・ユミ他
製作年2011年 製作国:韓国

 
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