歴史でも政治でもなく、愛の物語 The Lady

The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 ☆ 【BD】

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 アウンサンスーチーの来日に合わせたかのようにDVDとBDが発売。ミシェル・ヨー×リュック・ベッソンで、ミャンマーのアウンサンスーチーを取り上げるとなれば買わないわけにはいかない。
 「面白かった」とか「よかった」とかいう感想は不適切なのかもしれないが、さすがにリュック・ベッソンは勘所を心得ている。実在の人物の半生を描くという難しい課題を、テーマを夫婦愛や親子愛に絞り込むことでクリアした。軍事政権との政治闘争を中心に描いたり、ポリティカル・サスペンスに仕立てたりという手法もあったのだろうが、そうなると娯楽作品としては成り立っても、普遍的な作品にはなり得なかったはず。
 ミャンマーの政治状況については詳しくないが、一般的に政治面から善悪や正否を描くことは非常に難しい。アウンサンスーチーを一方的に「正義」として描くことには無理があっただろうし、彼女が政治家として評価されるのはまだまだ先のことである。また、希代のアクション女優であるミシェル・ヨー主演とはいえ、事実をあまりにも脚色してしまうとアウンサンスーチーの業績まで嘘になってしまう。
 「光州5・18」は韓国映画ならではのストレートな感情表現で親子愛や兄弟愛を描いたが、「The Lady」はあえて感情を抑えながらもスーとマイキーの強い絆を描いている。特にマイキーの死の場面は、不覚にも涙を禁じ得なかった。
 そしてなんといってもミシェル・ヨーの熱演に拍手。確かに2人の雰囲気は似ているように思うが、アウンサンスーチー本人の映像かと思うシーンが何カ所もある。いまさらいうまでもないことだが、彼女は世界を代表する演技派女優といっていい。

 最後に一言。特典映像の「ジャパン・プレミアイベント映像」だが、手を抜かずにゲストのコメントは字幕で見せて欲しい。イベントの参加者は同時通訳で理解するのもやむを得ないが、画面を通じて同時通訳の女性が苦労しているのを見るのはつらい。

作品データ
監督:リュック・ベッソン 出演:ミシェル・ヨー、デヴィッド・シューリス他
製作年:2011年 製作国:フランス


The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 [Blu-ray]
角川書店
2013-04-05

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