映画の限界 悪の教典

悪の教典 -アクノキョウテン- ☆ 【BD】

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 原作を読み、ソフトの発売を待ちわびて数ヶ月、ついにBDを購入。小説の方は後半やや収束を急いだ感はあるものの、主人公の蓮実聖司のキャラクターが背景も含めてしっかり描かれていて面白かった。難癖をつけるとすればあまりにも読みやすい文体で、ボリュームの割にサクサク読めてしまったことくらい。さて、このテの素材を三池崇史監督がどのように料理するのか楽しみにしていた。

 さすがは三池監督、持ち前のスピード感で、原作の雰囲気を損なうことなく、蓮実の狂気を描ききった。大量殺人の舞台が高校で、被害者も未成年であるためか、殺戮シーンについてはやや遠慮気味にも感じられたが、小説では許されても映画では許されない描写もあるからやむを得まい。欲を言えば安原美彌と蓮実、田浦潤子と早水圭介が関係するシーンなどは、もう少しサービスして欲しかった。
 
 全体的には十分楽しめたのだが、原作を読んでいる人には予備知識で補うことができた部分も、映画だけを見ている人には伝わらなかったのではという危惧もある。原作の蓮実は、自分にとって障害となる人物を周到な計画の下に排除していく。その過程も読んでいて非常に面白い部分なのだが、映画の蓮実はやけにあっさりと行動に移っている。知能が高い一方で共感能力が欠如している蓮実の恐ろしさよりも、単なる異常者の恐ろしさとして受け取られるのではないだろうか。とはいえ、伊藤英明も原作のイメージよりマッチョな感じだったが、まずは合格。「ヒミズ」の染谷将太と二階堂ふみのコンビも、「その他大勢」にならない存在感があった。また、ゲイの高校生を演じた林遣都の役者根性もたいしたものだ。実は後半の蓮実と生徒たちとの攻防も原作の読みどころの一つ。時間的な制約もあるので後半はバタバタとした印象だったが、蓮実と高校生たちの攻防をもっと楽しみたかったという思いもある。
 BDの特典映像に「悪の教典-序章-」も収録してくれれば文句なしだったのだが。

作品データ
監督:三池崇史 出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷翔太他
製作年:2012年 製作国:日本


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