原作より好印象 ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た ☆ 【DVD】

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 R-18文学賞の大賞に輝き、山本周五郎賞や2011年の本屋大賞も受賞した話題作であり、映画公開にあたっては田畑智子のコスプレのラブシーンが評判になっていたので、早々と予約して購入した作品。映画よりも早く電子書籍で原作を読んでいたが、思っていた以上に原作の雰囲気がよく出ていた。
 主人公の卓巳や友人の良太、里美(あんず)以外に、卓巳の母やGFの七菜、良太のバイト先の田岡など複数の視点から描かれた原作よりも、視点を絞ってスッキリとバランスよくまとまっている印象。原作は異なる人物の視点から物語が進む連作小説なのだが、卓巳と里美(あんず)のエピソードが重すぎて読んでいるうちに鬱陶しくなってくる。映画ではその鬱陶しさが少し軽くなり、「性」よりも「生」を中心に描いた青春映画として読後感ならぬ鑑賞後感が爽やかなのだ。
 主人公の卓巳を演じた永山絢斗はギリギリ高校生というラインだが、意外に演技が鼻につかない。彼以上によかったのは良太を演じた窪田正孝で、もう一人の主役といっていい存在感があった。また、卓巳の母親を演じた原田美枝子や助産院の梶原阿貴、里美の義母の銀粉蝶、田岡を演じた三浦貴大など、それぞれ個性的な脇役を演じた俳優もすばらしい。田畑智子は予想よりもよかったが、ここまで「体当たりの演技」をしても、まだ一皮むけない感がある。もしかすると彼女が目指すべき方向は違うのかもしれない。

 ちなみに、映画では原作にある松永七菜の兄についてのエピソードが省略されているが、個人的には卓巳が洪水に見舞われた七菜の自宅で一夜を過ごす場面が好きなので、卓巳と里美(あんず)との関係よりも、卓巳と七菜、七菜と兄に関する物語の方を見たかったような気がする。

作品データ
監督:タナダユキ 出演:永山絢斗、田畑智子、窪田正孝他
製作年:2012年 製作国:日本


ふがいない僕は空を見た [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2013-04-21

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