隠れた逸品 ラビッド

ラビッド RABID ☆ 【DVD】

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 ホラー映画やSF映画は監督の個性がはっきり出るジャンルだが、「ゴースト・オブ・マーズ」のジョン・カーペンターしかり、この「ラビッド」のデヴィッド・クローネンバーグも、いかにも「らしい」作品を世に出してきた。
 私は80年代の「スキャナーズ」「ヴィデオドローム」「デッドゾーン」「ザ・フライ」でデヴィッド・クローネンバーグにはまったが、この「ラビッド」はそれ以前に彼が30代半ばで撮った作品。今回、アマゾンの「おすすめ」で初めて存在を知って購入したが、なかなか面白い。
 人工皮膚の移植によって他人の血を求めるようになってしまった女性が、次々とバインパイア(感染者)を増やしていく。感染者は他人に襲いかかって生き血をすすったのちに死んでしまう。世間は一種の狂犬病として感染拡大を阻止しようとするが、ワクチンも効かず、状況は悪くなるばかり。感染者は理性を失い、ゾンビ状態になってしまうので、パンデミック映画であり、バンパイア映画でもあり、さらにはゾンビ映画でもある。
 主人公は脇の下から触手を伸ばして血を吸うのだが、その形状は明らかに男性器と女性器を模している。主演のマリリン・チェンバースはアメリカの有名なポルノ女優ということで、彼女をイメージした仕掛けでもあったのだろう。もっとも、そういう視点で見ると露出度は低めで、彼女も裸にはなるものの、物足りなさは否めない。この作品で成功すればハリウッドへの道も開かれたのだろうが、中途半端に終わったようだ。
 こういう説明だけを読むと単なるキワモノ映画のように思うかもしれないが、作品は何ともいえない味がある。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のような、というと褒めすぎだが、その時代の雰囲気や当時の人々が抱いていた未来への不安が伝わってくるのだ。
 こういう作品の存在を知ると、「クラッシュ」以降見ていないクローネンバーグだが、近日発売の「危険なメソッド」も購入しないわけにはいくまい。

 ちなみに rabid という形容詞には「①過激な、 猛烈な ②狂犬[恐水]病にかかった」という意味があるらしい。

作品データ
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:マリリン・チェンバース、フランク・ムーア他
製作年:1977年 製作国:カナダ



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