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セブン・サムシング Seven Something ラック7ピー・ラック7ホン ☆ 【DVD】

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 タイの映画会社であるGTH社の創立7周年を記念した3人の監督による3話オムニバス作品。そのうちの1作に主演しているのが韓国アイドルグループ「2PM」のニックンということで、どうやらK-POPブームの恩恵を受けて日本語版が発売されたらしい。
 「2PMのニックン、ついに映画初主演!」という宣伝文句で売り出されてはいるものの、3話それぞれによくできている。

 1話目の「14」は、大好きなGFとのプライベートなやりとりも facebook に投稿せずにはいられない10代の男の子が主人公。レンズやネットを通してしか自分を見ようとしない彼にGFは愛想を尽かしてしまうのだが、GFのミルクを演じているのがスタッター・ウドムシン。彼女はホラー映画「ラッダーランド」にも娘役で出ていたが、「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンを彷彿とさせる表情豊かな演技で非常に魅力的だった。テーマそのものは話題になっている「ネット依存」であり、簡単に笑って済まされない問題も含まれている。家族と遊びに行ってもついスマホで写真を撮って facebook に投稿している自分自身を省みてドキっとした。ちなみに劇中で「フェーンチャン」の映像が引用されているのも懐かしい。
 2話目の「21/28」は、映画共演をきっかけに恋に落ち、そして別れた男女が、7年後の続編制作を機に再会するというもの。売れなくなった女優を演じているのは「Bangkok Traffic Love Story」で一躍人気者になったシリン・ホーワン。決して美人とかセクシーというわけではないが、彼女もまたかわいらしくて魅力的。
 3話目の「42.195」は、文字通りマラソンが題材。夫を飛行機事故で亡くしたニュースキャスターが、年下の男性に支えられながらフルマラソンに挑戦することで新たな人生を歩み出そうとする物語。この年下の男性を演じているのがニックンで、ニュースキャスター役を演じたのは実際にキャスターで映画初出演のスークワン・ブーラクン。42歳という設定で、山田優と余貴美子を足して二で割ったような印象の彼女だが、微妙な年齢にあって揺れ動く女心を見事に演じている。3話ともにキャスティングが絶妙なのだ。時間的には3話目が一番長く、これだけで1本の作品にしてもいいくらいの出来。
 一応は独立した3つの話なのだが、軽快な感じから徐々に重いテーマに持っていく構成も巧い。個人的には2度ほど訪れたサイアム・オーシャン・ワールドが重要な舞台になっている点も嬉しい。前出の「Bangkok Traffic Love Story」や「夏休みハートはドキドキ!」のように、まだまだタイ映画には日本語版が出ていない恋愛映画の傑作がある。これを機会にもっとタイ映画に人々の目が向いてくれれば嬉しいのだが。

作品データ
「14」 監督:パウィーン・プーリジットパンヤー 出演:チュラーユ・ラオーンマンニー、スタッター・ウドムシン他
「21/28」 監督:アディソーン・トリーシリカセーム 出演:シリン・ホーワン、サニー・スワンメーターノン他
「42.195」 監督:ジラ・マリクン 出演:ニックン・ホーラウェートクン、スークワン・ブーラクン他
製作年:2012年 製作国:タイ


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