静的にドラマティック 東ベルリンから来た女

東ベルリンから来た女  BARBARA  【iTunes】

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 ベルリンの壁が崩壊する以前の旧東ドイツの田舎を舞台に、西側への脱出を図る女医バルバラを主人にした作品。
 私が映画を見てあれこれ考える場合、男性と女性、過去と現在、欧米とアジアなど二項対立の図式でとらえることが多いのだが、この作品を見て思ったのは「ハリウッドならこのテーマをどう料理するか」ということ。おそらくアンジェリーナ・ジョリーあたりに主役のバルバラを演じさせ、天才女医がさまざまな裏技を駆使して当局の厳重な監視の目をかいくぐり、西側に脱出するサスペンス映画にしてしまうに違いない。ところが、このドイツ映画はあくまで淡々と描かれている。ヨーロッパ映画をそれほど見ているわけではないので「ヨーロッパ映画特有の」とか「ドイツ映画特有の」という言い方はできないが、アメリカ映画とヨーロッパ映画の質感の違いというものは明らかにある。
 ニーナ・ホス演じるバルバラは常に焦燥感を抱え、周囲と打ち解けることもなく、リラックスした表情を見せることはほとんどない。ニーナ・ホスの他の作品のスチール写真を見るとけっこうな美人なのだが、この作品では常に疲れた雰囲気のメイクで近寄りがたい雰囲気があり、前半はなかなか感情移入ができない。しかし、その焦燥感がどこからくるのかがわかってくると、俄然彼女の西側脱出を応援したくなってくる。
 当時、同じような境遇にいて苦しんでいた人がたくさんいたのだと、リアリティを感じさせる描き方は巧い。

監督:クリスティアン・ペッツォルト 出演:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト他
製作年:2012年 製作国:ドイツ


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