これぞ「童貞物語」 セッションズ

セッションズ The Sessions 【iTunes】

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 少年の頃に患ったポリオのために首から下が麻痺し、ストレッチャーの上での生活を余儀なくされた詩人でジャーナリストのマーク・オブライエンが主人公。彼は実在の人物で、彼の執筆した記事「On Seeing a Sex Surrogate」がもとになっている。

 38歳になるマーク(ジョン・ホークス)は、ヘルパーの助けを借りながら暮らしているが、障害者のセックスについて取材をしたことから自分も童貞を捨てようと決意する。セックス・セラピストのシェリル(ヘレン・ハント)を紹介され、周囲の協力も得ながら童貞喪失に挑むことになる。

 障害者の性をテーマにした作品には日本にも「暗闇から手をのばせ」があるが、「セッションズ」も同じテーマを扱っている割にそれほど重苦しい雰囲気はない。主人公のマークが、シニカルではあるものの、前向きな人間として描かれているからだろう。おそらく少年、青年時代には健常者には想像もできない苦労があったに違いないが、作品の中ではあえてそれを描くことをしていない。もちろん、魅力的な障害者を演じたジョン・ホークスの演技力も大きい。そしてヘレン・ハントが、セックス・セラピストへの偏見を払拭するような、非常に魅力的な女性を演じている。撮影時にも50歳近かったはずだが、マークでなくても惚れてしまう。また、マークの相談相手となるブレンダン神父(ウィリアム・H・メイシー)がメチャクチャおかしい。セッションのたびに告白に来てアドバイスを求めるマークと、目を白黒させながら一所懸命助言を与えるブレンダン神父とのやりとりが非常にユーモラスなのだ。彼を中心として友人たちがいずれも優しくマークを支えているところもいい。ラストはマークの葬儀のシーンだったが、哀しいだけではない感動があった。

 
 しかし、改めて考えてみると、障害者の性をテーマにしているとはいえ、セックスに対するマークの不安や期待は健常者と全く変わりがない。特に男性には思い当たるところが多々あるのではないだろうか。(的外れを承知でいえば)このことは、障害も一つの個性と捉え、障害者と健常者を区別しない「共生」の思想にもつながるような気がする。

作品データ
監督:ベン・リューイン 出演:ジョン・ホークス、ヘレン・ハント、ウィリアム・H・メイシー他
製作年2012年 製作国:アメリカ


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