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zoom RSS 邦題はベタだが 危険なプロット

<<   作成日時 : 2014/08/14 19:44   >>

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危険なプロット Dans la maison 【iTunes】

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 「危険な」とタイトルにつくと条件反射的に「危険な情事」以降のエロティック・サスペンスを連想してしまう。知らず知らずのうちに深みにはまってしまうという意味では同じなのだが、この作品の場合、はまってしまうのは文学の虚実の狭間なのである。

 高校の国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、クラスの中に非凡な才を持つクロード(エルンスト・ウンハウアー)を見いだす。作文を添削しながら小説の書き方を教えるうち、ジェルマンはクロードの書いてくる作品の世界に入り込んでしまい、破滅的な行動をとるようになる。

 文学研究科で日本文学を専攻した私にとって、ジェルマンの行動は「イタいなあ」と思いながら十分理解できるものだった。才能のなさを自覚して小説家を諦め、国語教師になったジェルマンが、自分よりもはるかに優れた才能を持つクロードに指導をするという構成が何とも皮肉で、さらにクロードが描写するクラスメイトのラファの家庭がいかにも典型的な中流家庭であるところも皮肉が利いている。クロードの作品はある意味で陳腐なのだが、彼の真意がどこにあるかがわからないので、ただただ笑ってはいられない。物語の半ばまでは確かに怖かった。しかし、後半になると結末を急ぐかのように、それまでの緊張感が途切れてバタバタと終わってしまう。これもジェルマンに才能がないため、行動も文学的になり得なかったのだろうか。

 ハリウッド映画とは異なる、歌うようなリズム感が心地よく、「映画を見たなあ」と思わせる作品だった。


作品データ
監督:フランソワ・オゾン 出演:ファブリス・ルキーニ、エルンスト・ウンハウアー他
製作年:2012年 製作国:フランス




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