いまの日本も ゼイリブ

ゼイリブ They Live ☆ 【BD】

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 いかにもジョン・カーペンター監督らしいB級SF映画の傑作。Blu-rayはHD画質にリマスターしてあるのか、映像も意外なほどきれいで、四半世紀経っても十分に楽しめた。

 世の中は貧富の差が拡大し、町には失業者があふれている。肉体労働者のネイダ(ロディ・パイパー)は、国内を放浪しながらアメリカン・ドリームが自分にも訪れることを信じていた。ある日、彼は身を寄せていたホームレスのキャンプ地で、教会に出入りして不審な行動をとる一団を目にする。警察に追われて姿を消した一団が残したサングラスをかけたネイダは、そこで初めてエイリアンが人々の中に入り込み、地球を支配しようとしていることに気づく。

 一部の人間が利益を握る格差社会、大量生産・大量消費の資本主義が限界にきていた当時のアメリカを諷刺したのだろうが、実はこの映画の中に描かれている世界は、いまの日本そのものなのではないかと思わされた。バブル崩壊や東日本大震災を経験し、これまでの社会構造では日本はおろか、世界全体が遠からず行き詰まることは明らかなのに、安倍政権は相も変わらず「成長戦略」を掲げ、一部の富裕層に向けた政策は導入しても、大多数の国民の声を聞こうとしない。人々は考えることをやめ、将来に希望を見出せない。嫌韓、嫌中など誰かが作り出した雰囲気に流され、当たり前のことを見失おうとしている。こういう閉塞状況を考えると、もしかすると政治家の中にエイリアンが入り込み、彼らと取り引きして私腹を肥やしている人間がいるのではないかと勘ぐってしまう。

 もっとも、あれこれご託を並べなくてもこの作品は面白かった。むしろ25年前に見たときより面白く感じたかもしれない。サングラスをかけたときだけエイリアンやエイリアンのプロパガンダが見えるという設定はよく考えたもので、VFXに費用をかけずに済み、そこがまたCG満載の最近のSF映画よりリアリティがある。また、主演のロディ・パイパーもプロレスラーということを感じさせないなかなかの演技力。当時は新日本プロレスに参戦したこともあり、プロレスラーとして見ていたが、改めて見てみるとかなりまともに演技しているのだ。もしかすると25年前のドウェイン・ジョンソンになったかもしれない。少なくともハルク・ホーガンより演技力は上だ。しかし、残念なのはヒロインがメグ・フォスターだったこと。何とも言えない不思議な魅力はあるのだが、どちらかというと地球人よりエイリアンに見えてしまう。たとえ最後は裏切るにしても、正統派の美人女優を使うべきではなかったか。

作品データ
監督:ジョン・カーペンター 出演:ロディ・パイパー、キース・ディヴィッド他
製作年:1988年 製作国:アメリカ


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TCエンタテインメント
2014-09-03

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