上質のアイドル映画 天使の処刑人

天使の処刑人 バイオレット&デイジー ☆ 【BD】

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 バイオレットとデイジーという2人の少女の殺し屋コンビが主人公のアクション映画。「天使の処刑人」というセンスのない邦題は、往年のVシネマのような内容を想像させるが、アクションよりもドラマに重点を置いたなかなかの佳作である。

 バイオレット(アレクシス・ブレデル)とデイジー(シアーシャ・ローナン)人は、まだ少女といってもいい年齢だが、2人組の殺し屋である。憧れの人気歌手がプロデュースしたドレスを買う金欲しさに新たな依頼を引き受けるが、そのターゲットはみずから殺されることを望む中年男性マイケル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)で、彼は他の組織からも命を狙われていた。

 現在20歳のシアーシャ・ローナンは、独特の透明感を持った女優である。ガラスを通したような透明感ではなく、障子を通したようなやわらかな美しさといったらいいのだろうか。魅力的な若手女優は他にもたくさんいるが、彼女に代わる女優はいないように思われる。特に印象的だった「ラブリー・ボーン」をはじめとして、「つぐない」や「ウエィバック」、「ハンナ」「ビザンチウム」「グランド・ブダペスト・ホテル」など他の出演作も多く見ているが、常に彼女の独特の魅力に裏切られることはない。この作品でも、まだまだ彼女の魅力は健在だった。一方、相棒のバイオレットを演じたアレクシス・ブレデルだが、キャラクター的にはシアーシャ・ローナンの演じたデイジーの方が印象深く、アレクシス・ブレデルは損をしているような気もする(「シンシティ」で娼婦役を演じていたアレクシス・ブレデルの印象もそれほど強くない)。しかし、2人のキャラクターを考えると、なかなか絶妙な配役だったように感じられる。端的にいってバイオレットもデイジーもバカな若者なのだが、現実離れしていても許せるキャラクターになっているのだ。ちなみにアレクシス・ブレデルは、シアーシャ・ローナンよりも少し年上かと思っていたら実際はもう33歳だった。

 結局、ラストを迎えても事態は解決しておらず、作品のテーマからいってハッピーエンドも望めない物語なのだが、シアーシャ・ローナンとアレクシス・ブレデルの魅力が後味の悪くない作品にしている。バイオレットとデイジーのこのあとの物語を想像して余韻を楽しむのが正しい鑑賞の仕方だろう。間違っても続編は作って欲しくないなあ。

作品データ
監督:ジェフリー・フレッチャー 出演者:シアーシャ・ローナン、アレクシス・ブレデル他
製作年:2011年 製作国:アメリカ





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