原作が面白そう 私の男

私の男 ☆ 【BD】

画像


 第138回直木賞受賞作である桜庭一樹の『私の男』を、ぴあフィルムフェスティバル出身の熊谷和嘉監督が映像化。国際的に活躍する浅野忠信と新進気鋭の二階堂ふみが主演し、「近親相姦」というテーマを扱ったことでも話題性は十分の作品である。日本映画のディスクは高いのでなるべく買わずに済ませたいところだったが、同時期に公開されて話題となった「渇き。」と比較する意味で Blu-ray を購入した。

 北海道南西沖地震で家族を失った花(二階堂ふみ)は親戚である淳悟(浅野忠信)に引き取られ、紋別市で暮らし始める。高校生になった花は、何かと世話をしてくれる大塩老人(藤竜也)に淳悟との秘密を知られ、言い争いのすえに老人を死に追いやってしまう。逃げるように東京に出た2人だが、大塩老人の死に疑念を抱いた刑事の田岡(モロ師岡)が淳悟の元をを訪ねてくる。

 原作を読んでいないので映画の感想を述べるにとどめるが、良くも悪くも見終わったあとに残るものがない。公開前に「近親相姦」というテーマがセンセーショナルに宣伝されていた割に映画では踏み込むことを避けたような印象がある。直接的に花と淳悟のセックスを描いており、R15指定も受けているのだが、花からも淳悟からも葛藤や苦悩が感じられず、「禁忌」という雰囲気が少しも感じられないのだ。二階堂ふみが熱演だっただけに、対照的に浅野忠信には物足りなさを感じてしまう。浅野忠信には受けの演技ではなく、もっと激しい演技を見せて欲しかった(そういえば、部屋中に流れる血のイメージの中で花と淳悟が愛し合うシーンが、同じく父親と娘が愛し合うことになるミッキー・ロークの「エンゼル・ハート」と似ていると思ったのは単なる偶然だろうか)。

 主演の2人以外では藤竜也が「男の色気」を封印(卒業?)してただの老人を演じたことに注目。菅原文太や高倉健などが相次いで亡くなり、藤竜也も亡くなったと思い込んでいたために、最初は少しビックリしたが、失礼な勘違いに過ぎなかった。たとえばモロ師岡が替わって演じても違和感のない老人役で、藤竜也が演じなければならない役ではなかったと思うが、新鮮な驚きがあったことも事実である。

 見終わったあとに残るものという点では僅差で「渇き。」に軍配。決して悪い作品ではないと思うが、個人的には Blu-ray でなくて DVD で買うべきだったと後悔している。

作品データ
監督:熊谷和嘉 出演:浅野忠信、二階堂ふみ他
製作年:2013年 製作国:日本



私の男 [Blu-ray]
Happinet(SB)(D)
2015-02-03

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 私の男 [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック