ちょうどいい塩梅 キングスマン

キングスマン KINGSMAN:THE SECRET SERVICE ☆ 【BD】

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 「キック・アス」の原作者でもあるマーク・ミラーによるアメコミ「キングスマン」を原作とするスパイ・アクション映画。監督は「キック・アス」と同じマシュー・ヴォーンで、「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」(いずれも新シリーズ)も手がけている彼にとっては得意の分野である。

 任務中に亡くなったキングスマン候補生の息子であるエグジー(タロン・エガートン)は、ハリー(コリン・ファース)と名乗る紳士から国際諜報機関「キングスマン」の候補生にスカウトされる。他の候補生と競いながら訓練を行っていたエグジーだったが、世界規模のテロを企む実業家リッチモンド・ヴァレンタインによって殺されたハリーに代わり、ヴァレンタインの陰謀を阻止するために立ち上がる。

 どんどんシリアスになっていくダニエル・クレイグの「007」シリーズに対して、ドキドキよりもワクワクを大事にして作られた感じがする。「007」とローワン・アトキンソンの「ジョニー・イングリッシュ」を足して二で割ったと言ったらいいだろうか。このバランスが非常に絶妙なのだ。後半の「人間花火」はバランスもギリギリのところだが、個人的には大笑い。また、腕利きスパイがどうやって誕生するかという訓練シーンがたっぷり見られるところもスパイ映画ファンとしてはたまらない。いわばスポ根モノにも通じる部分もあり、ゆっくりと主人公に感情移入することができる。アクションの面では、スパイ映画にしては珍しくスタイリッシュな設計がなされている。さらに、スパイ道具に関しても、「007」のQが提供するものよりはるかにバラエティに富んだアイテムが用意されていたのも嬉しかった。

 イギリス出身の俳優を中心にしたキャストも非常に豪華である。主人公のエグジーを演じたタロン・エガートンもイギリス出身。ただし、これからキングスマンになっていくということもあり、存在感はいまひとつ。なんといっても存在感があったのはコリン・ファースである。「メン・イン・ブラック」のトミー・リー・ジョーンズに似た役割と言えるかもしれない。彼とアクション映画はなかなかイメージが結びつかなかったが、「英国王のスピーチ」ではジョージ6世を演じているので、英国紳士「キングスマン」にはぴったりだった。他にもマイケル・ケインがいかにも英国っぽい。マーク・ストロングは悪役のイメージが強いが、今回はエグジーを支える重要な役どころ。彼もロンドン出身だった。一方、悪役はサミュエル・L・ジャクソンで、彼は善悪どちらを演じてもいい味を出す。悪役があってこそ、正義の味方が引き立つという公式が見事に成り立っている。他には義足の殺し屋ガゼルを演じたアルジェリア系フランス人俳優のソフィア・ブテラが気になった。若い頃のジェニファー・コネリーを見ているようで、露出度は高くはなかったものの、アクションや立ち居振る舞いがセクシーで魅力的。ボンドガールのようなヒロインを必要とするストーリーではないので、彼女のような存在がいいスパイスになっている。そして、「スター・ウォーズ」の第7作が公開された年に、ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルが頭を吹っ飛ばされる教授役で出演しているのも面白い。

作品データ
監督:マシュー・ヴォーン 出演:コリン・ファース、タロン・エガートン他
製作年:2014年 製作国:イギリス


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    Excerpt: エージェントのハリー(コリン・ファース:54歳)は、ホレボレするほどスーツが似合っている! 服の仕立ての良さとそれを着こなす彼の所作に目が釘付けだ。一方、悪役ヴァレンタインを演じているサミュエル・L・.. Weblog: 名機ALPS(アルプス)MDプリンタ racked: 2016-01-27 21:54