このあとは? セッション

セッション WHISPLASH ☆ 【BD】

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 監督のデイミアン・チャゼルの高校時代の体験をもとに作られた音楽映画。製作資金集めのために作られた短編映画がサンダンス映画祭で高く評価され、長編化が実現した。第87回アカデミー賞で助演男優賞など3部門を受賞している。

 偉大なジャズ・ドラマーになることを夢見て名門シェイファー音楽学校に進学したアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、教師のテレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)の目にとまり、彼のスタジオ・バンドに参加することになる。一切妥協を許さないフレッチャーの厳しい指導で精神的に追い込まれるニーマンだったが、恋人にも別れを告げ、ドラムだけに時間を費やす日々を過ごし、ついにバンドの主奏者となる。しかし、重要なコンペティション当日、アクシデントによってベストの演奏ができなかったニーマンはフレッチャーと衝突し、音楽学校の退学を余儀なくされる。

 あらすじだけを読んでいると、真面目で重苦しい作品だと思ってしまうが、凝ったTVCMを見ているようで集中力が途切れることはなかった。物語はニーマンとフレッチャーの2人の間で進み、他の登場人物は背景に過ぎない。それでも、音楽も映像も凝っていて、作品の中には濃密な時間が流れている。この作品は Blu-ray の発売当日に入手したものの、内容が重苦しそうに感じられてしばらく放置していたのだが、もっと早く見ておけばよかったと後悔した。やはりアカデミー賞3部門受賞はダテではない。

 ストーリーからするとフレッチャーの一線を越えた指導が問題になるのだろうが、ニーマンもただの善良な被害者ではない。偉大なドラマーになるためには他人のことなどお構いなしの独善的な男で、ある面ではフレッチャーと似た部分もある。彼らの主張はそれぞれ一理あるように思え、あるときはニーマンに、あるときはフレッチャーに感情移入するのだが、最後にデイミアン・チャゼル監督の罠が待ち構えていた。JVCフェスでのフレッチャーの仕打ちは、われわれ見る者に対しての裏切りでもあるが、そのあとのニーマンの反撃もまた嬉しい裏切りだった。決してハッピーエンドでは終わらないことを予想させながら、最後まで物語を見せないところも巧い。

 フレッチャーの指導は、現在の日本の学校教育からすれば不適切な言動を伴う指導で問題になるものだろう。しかし、作品の中の「英語で最も危険な2語、それは Good Job(上出来)だ」というフレッチャーの台詞は、じっくり考えてみる価値がありそうだ。

作品データ
監督:デイミアン・チャゼル 出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ他
製作年:2013年 製作国:アメリカ


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