四半世紀を経て蘇る ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ DOGRA MAGRA ☆ 【DVD】

画像


 1935年に刊行された夢野久作の小説「ドグラ・マグラ」を、桂枝雀主演で1988年に映画化した作品。桂枝雀の大ファンでもあった私は公開当時にも見ているが、DVDが再販されると聞き、早速購入して鑑賞した。

 大正末期、一人の青年(松田洋治)が病室と思われる一室で目を覚ます。記憶を失っている彼に、法医学教授の若林(室田日出男)は、ここは九州医大の精神病棟で、彼の名は「呉一郎」だと教える。ある凄惨な事件がきっかけで彼は記憶を失ったのだという。若林は、彼の記憶を取り戻すため、彼の主治医で、1ヶ月前に亡くなった精神科の正木博士(桂枝雀)のことを語り始める。

 桂枝雀の怪演もさることながら、改めて見直してみると松田洋治が抜群に巧い。もちろん、子役としてのキャリアは豊富なのだが、松田洋治が呉一郎の狂気を見事に演じたからこそ桂枝雀の演技が浮かなかったのだと気づかされた。このテの作品はろくに予算もかけずに作り手の意欲だけで作られ、キャストも物足りないことが少なくないが、室田日出男や江波杏子のほか、三沢恵里や小林かおりにしても、難しい役柄を巧みに演じ、作り手の自己満足の作品で終わっていない。(いま考えればすごいことだが)ホリ・ヒロシの人形も効果的に使われていた。30年近く経ってからDVDが発売されるのも、それなりに支持されているということなのだろう。

 20代前半で見たときよりもはるかに面白く、印象に残る作品となった。自分が年齢を重ね、多少は理解力に進歩があったのかもしれないが、30年近く経っても古さを感じさせない作品であることも確かである。それにしても、返す返す惜しまれるのは、天才的な表現者である桂枝雀の早過ぎる死。彼が演じた正木博士が自ら命を絶ったというのも、後のことを考えると暗示的である。

作品データ
監督:松本俊夫 出演:桂枝雀、松田洋治、室田日出男他
製作年:1988年 製作国:日本


ドグラ・マグラ [DVD]
ディメンション
2016-04-02

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ドグラ・マグラ [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック