もっと非情に 天空の蜂

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 東野圭吾の1995年のサスペンス小説を2015年に堤幸彦監督が映画化。映画のエンディングは2011年3月11日の東日本大震災直後につながっており、原発の存廃が議論されている現在にも通じるテーマが描かれている。

 航空自衛隊に納入予定の最新大型ヘリコプター「ビッグB」が何者かにより遠隔操作され、福井県の高速増殖炉「新陽」の上空に現れる。「天空の蜂」と名乗る犯人は国内すべての原発の停止を要求し、要求が聞き入れられなければ「ビッグB」を原発に墜落させると脅迫する。「ビッグB」開発責任者の湯原(江口洋介)は、機内に取り残された息子を救出し、原発事故を回避するため、原発技術者の三島(本木雅弘)とともに奔走する。

 原作は読んでいないのであくまでも映画の感想。日本映画としては珍しく、スケールの大きなサスペンス映画として楽しむことができた。リアリティのない、荒唐無稽な大作は少なくないが、この作品の場合はハリウッド映画を見ているように作品の世界に集中できる。ハリウッド映画はもちろん、お隣の韓国映画でも、そこに描かれている世界は我々日本人にとって「非日常」であり、リアリティはあまり問題にならないが、日本映画の場合は少しでも違和感を覚えると「そんなことあり得ない!」と突っ込まずにはいられない。そのため、よっぽどしっかり作らないとB級映画としても評価されず、あっさりスルーされてしまうことも多い。細かい突っ込みは入れようと思えばいくらでも入れられるものの、あれこれ欲張らずに湯原を中心に物語を展開させたことでそれなりの説得力が出た。

 しかし、テロ事件の鍵を握る三島、雑賀、赤嶺に本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵というスターを起用したためか、彼らが過剰に同情的に描かれていたような気がする。これが韓国映画なら悪役は徹底して非情に描かれ、彼らの心情や動機が言葉でいちいち説明されることはない。それでも彼らの心情や動機は見る者に伝わり、何ともいえない複雑な思いを抱かせる。ところが、この「天空の蜂」の場合は「同情しろ」というメッセージが強すぎて、逆に興ざめしてしまう。日本映画に独特のウエット感といえるのかもしれないが、特に本木雅弘に関しては素晴らしい演技だっただけにこの点が惜しまれる。

作品データ
監督:堤幸彦 出演:江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵他
製作年:2015年 製作国:日本


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