正義の怖さ コール・オブ・ヒーローズ

コール・オブ・ヒーローズ-武勇伝- 危城 Call of Heros ☆ 【BD】

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 香港映画が得意とするスケールの大きなアクション活劇。活動を継続している本人には非常に失礼な「サモ・ハン is BACK!」シリーズの第2弾であり、サモ・ハンがアクション監督としてベニー・チャン監督とタッグを組み、本人も最後にちょこっとだけ顔を出している。一応、「七人の侍」や「荒野の用心棒」にオマージュを捧げた作品ということになっている。

 1914年、内戦下の中国。普城の村の人々は、ヨン(ラウ・チンワン)を団長とする自警団に守られて平和に暮らしていた。ある日、略奪と虐殺を続ける北洋軍閥のチョウ・イン将軍の息子チョウ・シウロン(ルイス・クー)が村に姿を現す。北洋軍閥から逃れて村に逃げ込んだ女性教師のパク・レンや子どもたちを射殺して自警団に捕らえられ、絞首刑を宣告されたシウロンだったが、そこに北洋軍閥の将校チョン・イック(ウー・ジン)が兵士を率いて彼を迎えに来る。シウロンの釈放を拒否したヨンは怯えた村人たちから孤立するが、放浪者マー・フン(エディ・ポン)や自警団の仲間たちとともに村人を守るために立ち上がる。

 黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)や葉問(イップマン)のような武術家が活躍する物語も面白いが、仲間とともに敵や圧政に立ち向かうアクション映画は中国・香港映画の真骨頂。「孫文の義士団」以来、ひさびさに団体戦の感動を覚えた(「楊家将」は家族物なので除外して)。エディ・ポンが最初にクレジットされているが、物語の中心となるのはラウ・チンワン。イケメンのエディ・ポンを差し置いて、「犬顔」のラウ・チンワンが正義を貫き、村を守っているというところで、男ならば誰もがグッとくるはず。ルイス・クーも「マッハ×ドラゴン」に続いてサイコな悪役を好演し、サッパリ系のイケメン、ウー・ジンもシブく決めている。この男たちが並んで面白くならないはずはないのだが、男臭さを感じさせないのはユアン・チュアンとジャン・シューインの存在が大きい。ユアン・チュアンは武侠映画のヒロインを思わせる凛としたたたずまいがよかった。若い方のジャン・シューインが早々と退場してしまったのは残念だが、そのために甘っちょろい作品にならなかったのかもしれない。

 アクションシーンも、さすがにサモ・ハンが監督を務めただけあって、ラウ・チンワンの鞭やウー・ジンの槍、エディ・ポンの二刀流のほか、ユアン・チュアンのざるや杖など、工夫があって面白い。特にクライマックスの酒瓶のピラミッドの上でエディ・ポンとウー・ジンが闘う場面は手に汗を握った。

 ラウ・チンワン演じるヨンは、自ら信じる正義のために村人を危険な目に遭わせてしまう。もっとも、シウロンが村に現れた時点で普城の運命は決まっていたのだが、正義を曲げてもシウロンを釈放することで自分たちが助かると村人たちは考えるのだ。そしてエディ・ポン演じるマー・フンも、かつて正義を信じたために仲間を危険にさらし、兄弟子のイックとも袂を分かつことになった。しかし、彼らの「正義」は素晴らしいが、その一方で儒教的な「正義」には多少の怖さもつきまとう。習近平も安倍晋三も、ひょっとすると金正恩も、彼らなりの「正義」を貫こうとしているだけなのかもしれない。そう考えると、この作品もめでたしめでたしでは見ていられない。
 
作品データ
監督・ベニー・チャン 出演:エディ・ポン、ラウ・チンワン、ルイス・クー他
製作年:2016年 製作国:中国、香港


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