いまも世界のどこかで コロニア

コロニア COLONIA 【Amazonプライム】

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 1973年のチリ軍事クーデターの際に起こった実話を基に作られたスリラー映画。ナチスの残党パウル・シェーファーが支配するチリ秘密警察の拷問施設「コロニア・ディグニダ」からの脱出劇が描かれている。

 1973年、ルフトハンザ航空の客室乗務員であるレナ(エマ・ワトソン)は、フライトで訪れたチリで軍事クーデターに遭遇する。恋人のジャーナリスト、ダニエル(ダニエル・ブリュール)が軍事政権に捕らえられ、生きては出られないと言われるチリ秘密警察の拷問施設「コロニア・ディグニダ」に収容されたことを知ったレナは、ダニエルを助けるために「コロニア・ディグニダ」への潜入を決意する。

 人気俳優エマ・ワトソンの主演作だが、意外に地味な作品で Amazonプライム で発見するまで存在を知らなかった。見ていて嫌な気持ちになる作品かと身構えていたものの、作品の中でダニエルやレナが虐げられる場面はそれほど多くない。気の小さい私にも目をそらさず見ることのできる作品だった。もちろん、実話を基にしているために過剰な演出は厳禁だが、盛り上がりに欠けることも確かである。主人公たちのコロニアからの脱出も計画的とはいえず、そのために緊迫感もいまひとつ。「実話」の壁に敗北を喫した感が強い。

 ナチスの残党パウル・シェーファーを演じたのは、昨年亡くなったスウェーデンのミカエル・ニクヴィスト。「ミレニアム」シリーズのミカエル・ブルムクヴィスト役が記憶に新しいが、この作品では少し太って印象が全く異なる。何とも不気味な敵役を演じたが、作品同様に弾けきれなかった印象が残る。小説では『ミレニアム』の新シリーズも好調だが、二度と彼のミカエル・ブルムクヴィスト役が見られないのは残念。

 全体に物足りなさは残るものの、作品の中に描かれている「事実」は重い。40年以上前の出来事ではあるが、もしかするといまも世界のどこかで同じような目に遭っている人々がいるのではないと恐ろしくなった。

作品データ
監督:フローリアン・ガレンベルガー 出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール他
製作年:2015年 製作国:ドイツ、ルクセンブルク、フランス


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