非日常への脱出失敗 マンハント

マンハント 追捕 MAN HUNT ☆ 【BD】

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 西村寿行の『君よ憤怒の河を渉れ』を原作に、1976年に高倉健主演で製作された同名映画のリメイク作品。中国では「追捕」のタイトルで1979年に公開されて大ヒットしたが、この映画のファンであるジョン・ウーがメガホンをとり、日本を舞台に日本、中国、韓国の人気俳優が勢揃いする作品となった。

 天神製薬の弁護士を務めるドゥ・チウ(チャン・ハンユー)が目を覚ますと、ベッドには社長秘書の希子(TAO)が死体となって横たわっていた。何者かに嵌められたことに気づいたドゥ・チウは警察の手から逃れるが、彼の命を狙って殺し屋のレイン(ハ・ジウォン)らが迫ってくる。一方、事件に疑念を抱いた刑事の矢村(福山雅治)は、部下の里香(桜庭ななみ)とともに事件を追い、ドゥ・チウとともに殺し屋に襲撃される。

 多作な西村寿行の小説をほとんど読破し、ジョン・ウーの作品も「男たちの挽歌」以降のものは香港映画、中国映画、ハリウッド映画の区別なくほとんどを鑑賞している。その上、福山雅治のベストアルバムやFM番組を車で聞く私は、どれほどこの作品を待ち望んでいたことだろうか。幸いなことに作品は早々とDVD化され、しかもBlu-rayはDVDとの抱き合わせ販売ではない。喜び勇んで購入し、早速鑑賞した。

 結論から言うと、最初に見たときは期待が大きすぎた分、肩すかしといった感が強かった。もちろん、手錠でつながれた二人のダブル銃撃シーン(=二丁拳銃)や白いハトが飛ぶシーンなどのジョン・ウー節は健在だし、豪華俳優陣も魅力たっぷり。しかし、日本が舞台となった中国映画ということで、いまひとつ非日常のイマジネーションの世界に浸りきることができなかった。ジョン・ウー監督作品にリアリティを求める必要はないのだが、何しろ舞台は日本。我々にとっては日常空間なので、知らず知らずのうちにリアリティを求めてしまう。もし韓国や香港、アメリカが舞台なら「こんなこともあるかも」と許せることも、日本では「ありえねぇ~」となってしまうのだ。そう思って見ると福山雅治も桜庭ななみも、日本人俳優はみんな一本調子の演技にも感じられる。テレビ朝日の刑事ドラマの方が、ストーリーも演技もよっぽど説得力があるような気がしてくる。

 しかし、見直してみると、二度目は最初に見たときよりもずっと面白い。リアリティを諦めたせいか、エンターテイメントの巨匠、ジョン・ウー監督のサービス精神が随所にうかがえて楽しくなってくるのだ。チャン・ハンユーは言うに及ばず、「第7鉱区」以来ひさびさのハ・ジウォンも、チー・ウェイもそれぞれ魅力的だし、國村隼や倉田保昭(!)もジョン・ウーの世界にバッチリはまっていた。ストーリーは大きく原作から離れはしたが、ぜいたくにあれこれ詰め込んだこの作品は、それなりに後世に残るものになるような気がする。

作品データ
監督:ジョン・ウー 出演:チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ他
製作年:2017年 製作国:中国





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