上品な最終話 イップ・マン完結

イップ・マン完結 IP MAN 4: THE FINALE 葉問4完結編 ☆ 【BD】

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 ドニー・イェンとウィルソン・イップ監督による「イップ・マン」シリーズの4作目にして完結編。ブルース・リーの招きでサンフランシスコを訪れたイップ・マンの活躍が描かれている。

 妻を病気で亡くしたイップ・マン(ドニー・イェン)は、詠春拳を教えながら息子チン(ジム・リウ)と暮らしていたが、自分がガンに冒されていることを知り、チンをアメリカ留学させるため、弟子のブルース・リー(チャン・クォックワン)の招きに応じてサンフランシスコを訪れる。現地に着いたイップ・マンは、留学手続きに地元の中華総会の紹介状が必要なことを知り、太極拳の師範でもある中華総会の会長ワン(ウー・ユエ)を訪ねるが、西洋人に中国武術を伝えようとするブルースに批判的な会長たちはイップ・マンを受け入れようとしない。そんなとき、ブルースの弟子で米海軍のハートマン軍曹(ヴァネス・ウー)は、空手の有段者であるバートン軍曹(スコット・アドキンス)と激しく対立し、チャイナタウンにもその影響が及ぶ。

 病を得た晩年を描くということで、フィクションとはいっても、イップ・マンの派手な活躍を期待するわけにはいかない。もちろん、ドニー・イェンのアクションはまだまだ健在だが、ドラマ的には弟子のブルース・リーやハートマン軍曹など若者に脇を支えられている印象。それはそれで落ち着いた雰囲気でドラマが進行し、晩年のイップ・マンの人間的な成熟を伝える上でも効果的だった。

 その一方、差別に苦しむ中国移民の描き方については、単なるアクション作品にはなっていないものの、差別する側、差別される側の双方がステレオタイプに描かれている点で感覚的には古い気もする。もっとも、これは人種差別に鈍感な日本人の感じ方であって、中国の人たちからすれば譲れない部分なのかもしれない。中華系の作品では差別する側として登場することが多い日本人の私からすると、たとえそれがアメリカ人に替わったとしても多少の居心地の悪さを感じないではいられなかった。

 中国映画史に残る当たり役となったドニー・イェンの葉問を見るのもこれが最後になりそうだが、アクションだけではなく、人間としての葛藤を描いた点でシリーズの完成度は高かった。当たり役という点ではジェット・リーの黄飛鴻に匹敵すると思うが、4作で収めたところは「上品」で潔いといえるだろう。

作品データ
監督:ウィルソン・イップ 出演:ドニー・イェン、ウー・ユエ他
製作年:2019年 製作国:中国・香港

イップ・マン 完結 [Blu-ray] - ドニー・イェン, ウー・ユエ, ヴァネス・ウー, スコット・アドキンス, チャン・クォックワン, クリス・コリンズ, ケント・チェン, ヴァンダ・マーグラフ, ウィルソン・イップ
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