わかる気がする 火口のふたり

火口のふたり 【Amazon Prime Video】

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 原作は2012年に河出書房新社から刊行された白石一文の小説。2019年のこの作品では柄本佑と瀧内公美が主人公の男女を演じ、ほぼ2人だけで物語が進行する。また、舞台が原作の福岡から秋田へと変更されている。

 東日本大震災から7年、賢治(柄本佑)は従姉妹で幼馴染の直子(瀧内公美)の結婚式に出席するため郷里の秋田に帰省する。かつては恋人同士だった2人だが、別の女性と結婚した賢治はその後離婚して現在は無職の身となっている。一方、自衛官との結婚を決めた直子もどこか満たされない思いを抱えており、2人はふとしたきっかけで再び関係を結び、結婚式までの数日をともに過ごすことになる。

 作品の主題にはあれこれ考えさせられるところはあるものの、ストーリーそのものは特に起伏があるわけでもない。退屈だと感じる人もいそうだし、見る人によって評価が大きく分かれる作品だと思うが、私にはかなりしっくりきた作品。何といっても自然に見える2人の演技がいい。特に柄本佑の存在感を強調しすぎない演技には感心した。彼はこれまで癖のある役柄の印象が強かったが、この作品で演じた賢治は離婚して無職とはいえ、常識はあるし、自堕落なわけでもない。実際にいそうな人物を自然体で演じているので、かつて恋人同士だった2人が再び結ばれることも自然で違和感がないのだ。そして、その柄本佑の演技を受け止める瀧内公美も互角の力を持っているのだろう。古い表現を使うと「体当たりの演技」なのだが、官能的でなおかつ切なさを感じさせる演技で、「マリッジブルー」というほど単純ではない直子の気持ちもしっかり伝わってきた。

 離婚した賢治と結婚式を目前にした直子の関係は厳密には「不倫」ではないのかもしれないが、2人がぎりぎりで道を踏み外していないように思えるのは、決して周囲を傷つけようとはしていないからだろうか。理屈ではなく、惹かれ合うというのはこういうことなのかもしれない、などと2人の演技を見て感じさせられた。2019年の「キネマ旬報」ベスト・テンで日本映画の1位になったのも納得できる。

作品データ
監督:荒井晴彦 出演:柄本佑、瀧内公美
製作年:2019年 製作国:日本

火口のふたり (R15+) - 柄本佑, 瀧内公美, 柄本明, 荒井晴彦, 荒井晴彦, 岡本東郎, 田辺隆史, 行実良, 森重晃
火口のふたり (R15+) - 柄本佑, 瀧内公美, 柄本明, 荒井晴彦, 荒井晴彦, 岡本東郎, 田辺隆史, 行実良, 森重晃

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