躁状態の関口 魍魎の匣 

魍魎の匣
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 実相寺昭雄監督の死去により、京極堂シリーズは原田眞人監督にバトンタッチされた。実相寺監督以上に原田監督作品となると「ガンヘッド」くらいしかまともに劇場で見たことはないのだが、明らかに「姑獲鳥の夏」とは世界が異なる。
 もっとも、最大の違いは演出よりもキャスト。メインキャストのほとんどが残留した中で、語り部である関口が永瀬正敏から椎名桔平に替わったのだ。どういう経緯で関口役だけが替わったのか定かではないが、原作のイメージからすると永瀬正敏よりは椎名桔平の方が抑鬱状態の関口に合っているような気がした。ところが、映画の中の関口はやたらと明るい。これは「姑獲鳥の夏」の阿部寛の榎木津にも劣らない原作とのギャップ。そのせいだけでもないのだろうが、原作の淫靡な雰囲気はどこにも感じられず、関口、中禅寺、榎木津、木場修とおしゃべりのオンパレードで、すっかり明るい作品になってしまった。
 舞台装置が大仕掛けになったために前作以上に映画らしさは感じられたが、残念ながら期待していた京極ワールドは再現されなかった。実相寺ワールドと原田ワールドを比較すれば、前者の方が幾分か原作の雰囲気には近いのかもしれない。
 映像としては市川崑監督の横溝正史シリーズのような雰囲気を望んでいたのだが。

京極堂ツイン・パック「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」
ジェネオン エンタテインメント
2008-06-25

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