古典となりうる 69

69 シックスティナイン
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 ちょうど10年前の作品であるが、将来、タイ映画の古典ともなり得る佳作。ヒッチコックやタランティーノを持ち出すまでもなく、アジア映画ファンとしては必見である。もっとも、そういう割には見るのが遅かったのだが。
 「6」と「9」の単純な取り違えから悲劇に巻き込まれていくヒロイン。追い詰められたヒロインの、その場しのぎの行動が連鎖反応的に事件を大きくしていく。しかし、登場人物たちは絶妙にすれ違いを続け、展開がなかなか読めないのだ。このパターンは決して目新しいものではないが、借り物ではなく、しっかりタイ映画として成り立っているところがすごい。惨劇であり、悲劇であるはずなのに、最高の喜劇にもなっている。
 また、キャストも癖者揃い。トゥム役のラリター・パンヨーパートも美人でないからこそ、物語にリアリティが感じられる。勝手に収束してしまうラストも予想がつくものの、最後にトゥムが選んだ道には納得。美人のヒロインで、ハッピーエンドに終わったとすれば、これほどの満足感は得られまい。
 タイらしい空気感を背景に、緻密に構成された筋書き。発想そのものは二番煎じだとしても、それが見事に消化され、「やるなあ」と感心させられる作品である。

シックスティナイン [DVD]
パンド
2001-06-08

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地味ながらもよくでき ...
タイ映画をあなどるな ...
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