そんな殺生な レッドイーグル

レッドイーグル The Red Eagle インスィーデーン ☆ 【DVD】

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 タイの国民的ヒーローであったインスィーデーン(レッドイーグル)が半世紀ぶりにスクリーンに蘇った。1955年に発表されたセーク・ドゥシットの犯罪小説が原作で、当時の大スター、ミット・チャイバンチャーが主人公のインスィーデーンを演じ、パタヤでヘリコプターにぶら下がるシーンを撮影中に墜落死したという、いわくつきの作品のリメイクである。

 わかりやすく例えるとタイ版「バットマン」なのだが、ビジュアル的には「仮面の忍者赤影」以外の何者でもない。インスィーデーンに扮するロームは特殊部隊出身で、銃や剣を巧みに操り、身体能力もずば抜けたヒーローなのだが、バットマンのようにハイテクの武器を駆使するわけではないのでアメコミのヒーローほど荒唐無稽ではない。もちろん、ヒーロー物にリアリティを求める必要もないのだが、いかにもアジア的なヒーローという雰囲気がいい。
 ストーリーもなかなか凝っている。タクシン派と反タクシン派の不毛な政権交代を皮肉ったと思われる2016年の不安定なバンコクが舞台で、福島の原発事故を予見したわけでもないのだが、原子力発電所の建設を巡って政府と地元住民が揉めている。当選した途端に公約を反故にする若い首相は、どことなくアピシット元首相に似ていないこともない。原発の開発計画を推進しようとする政府は裏で犯罪組織「マトゥリ」とつながっており、インスィーデーンは単身で彼らに戦いを挑むことになる。

 「ランカスカ海戦」でも主役を務めたアナンダ・エヴェリンハムがインスィーデーンを演じ、影のあるヒーローを好演。ヒロインで首相の元婚約者を演じるヤーリンダー・ブンナークも目のぱっちりしたタイ美人で、タイでは歌手としても活躍しているとのこと。脇役もそれぞれに存在感があり、期待以上に面白い作品に仕上がっている。
 それにしても、ハラハラさせながら120分も見せておいて、盛り上がってきたところで「つづく」というのは明らかに反則。続編が撮影されているという情報はまだないが、続編が製作されたとしても日本語版が出るかどうかはさらに不透明。発売元・販売元には責任を持って続編の日本語版を作ってもらわねばならない。もっとも、待ちきれずにタイ語版を買ってしまう可能性が大きいが。

作品データ
監督:ウィシット・サーサナティアン 出演:アナンダ・エヴァリンハム、ヤーリンダー・ブンナーク他
製作年:2010年 製作国:タイ


レッドイーグル [DVD]
アメイジングD.C.
2012-01-06

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