甘さこそ娯楽映画 猿の惑星

猿の惑星 創世記ジェネシス RISE OF THE PLANET OF THE APES  【DVD】

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 68年の「猿の惑星」の前日譚。オリジナルの衝撃のラストシーンを暗示させるストーリーはなかなか面白い。
 しかし、いまどきのSF映画としては肝心の物語がご都合主義で甘っちょろい。新薬の影響が遺伝した高い知能を持つチンパンジーのシーザーが、ガス状の新薬を霊長類の保護施設に散布してゴリラやオランウータンの知能を高め、彼らを指揮して人間に反旗を翻す。その発想自体があまりにも人間らしく、まさに現代のおとぎ話である。それにリスクを恐れる現代の企業が一か八かの新薬開発に手を出すと言うことも実際にはあり得ない。
 しかし、映画というものはそれでいいのだ。映画が現実を描くだけならば現実を超えることはできないし、現実には起こりえないことが描かれているから映画の世界に惹かれるのだ。整合性や考証にいくらこだわっても面白くなければ映画の楽しみは半減する。細かいことは抜きにして面白いと思えればそれでいいのだ。
 そういう意味で、この作品は80年代までのSF映画にあった荒唐無稽な楽しさ、面白さがある。「127時間」でアーロンを演じたジェームズ・フランコ、「スラムドック$ミリオネア」のフリーダ・ピントも魅力的ではあるが、それ以上にシーザーたち霊長類の演技がすばらしい。もちろん、あくまでも人間的な表情であり、作り物に過ぎない。しかし、すっかり着ぐるみになってしまう「猿の惑星」とは異なる、俳優としての霊長類がいる。もちろん、シーザーに関してはアンディ・サーキスの力量が大きいのだが。
 また、87年の「ハリーとヘンダスン一家」でビッグフットのハリーと心を通わせたジョン・リスゴーが、今度は「猿の惑星」でシーザーと心を通わせるというのも面白い。彼も痴呆老人を演じるようになったのだ。

作品データ
監督:ルパート・ワイアット 出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント他
製作年:2011年 製作国:アメリカ


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