殺されても相手の人権を尊重すべき? 宇宙人王さんとの遭遇

宇宙人王さんとの遭遇 The Arrrival of Wang (L' arrivo di Wang) ☆ 【DVD】
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 数多くの香港映画や中国映画を見ているので中国に悪い感情を持っているわけではないが、同じアジアというだけでひとくくりにはできないのが中国である。今日は中国船から海上自衛隊の艦船に向けて射撃レーダーが照射されたことが明らかになった。映画の世界なら赤ランプが点滅し、緊急サイレンが鳴ってすぐにミサイル迎撃態勢に入るところだ。一般の中国人とは関係ないとはいえ、ある意味「宇宙人」といえる。

 
 このブログでは初めて取り上げるイタリア映画。中国語通訳のガイアのもとに仕事の依頼が入るのだが、その仕事というのはローマで拘束された中国語を話す宇宙人「王(ワン)さん」の尋問の通訳をするというもの。王さんは地球で最も多くの人間が話しているという中国語を学び、地球人と文化交流をするためにやってきたという。ところが、尋問を担当する秘密警察のキュルティは王さんの言うことを全く信じようとはせず、拷問をしてまでも本当の目的を聞き出そうとする。人権(?)を無視した尋問にガイアは激しく抵抗し、ついにはアムネスティ・インターナショナルを頼ってワンさんを救い出そうとする。
 皮肉の効いたSFパロディ映画なのだが、作品のほとんどを占める取調室での尋問シーンはけっこう単調。やりとりのたびにいちいち通訳が入るというまどろっこしさもあり、眠くなってしまう。キュルティ以外の当局者もいまひとつ緊張感が感じられず、さらに王さんの造型が何とも間抜けで、安っぽさは否めない。しかし、この作品が制作費に糸目をつけず、きっちり作られていたら本当に国際問題になったかも。意図的に残されたチープ感が逃げ道になっているわけだ。
 結局、この作品は「お前、バカだな」という王さんの最後の一言に集約される。この台詞を聞くために、この作品を見ると言っても過言ではない。いろいろと考えされられる問題作である。

 ちなみに、この作品が30年前に作られていたとすれば、宇宙人が話しているのは日本語で、名前はタナカさんとかスズキさんだったかもしれない。そう考えると少し悔しい気もする。

作品データ
監督:アントニオ&マルコ・マネッティ兄弟 出演:フランチェスカ・クティカ、エンニオ・ファンタスティキーニ他
製作年:2011年 製作国:イタリア


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